オススメの本

【書評】真山仁 「プライド」

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うむ。

綿密な調査に裏打ちされた筆致と、ストーリーメイク、そして一貫した「社会的テーマ」を取り上げる真山さんの小説は非常に読み応えがあり、Regainもずっとファンでしたが短編には食指が動かなかったのですが、とある尊敬する方から、ご推薦をいただき読了。

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真山 仁 新潮社 (2012-08-27) 売り上げランキング: 190,861

「おれは(あたしは)プライドないんだよねー」という人が時々いらっしゃいますが、Regainはそんな人いないと思ってますがどうでしょうか。

ひとが、ひとと対峙する時に生ずる「自分は」という意識。

ひとが、組織と対峙する時に生ずる、「自分は」という意識。

およそ、個人が社会的な存在として生きる際に、避けては通れないこの「いかに自分と向き合うか、そして生きるか」という命題は、時として他者の生き方を大きく変え、それは社会をも変えるチカラを持ちます。

本書ではなんと言うか、その「禍々しさ」と「清々しさ」を一度に味わえる読後感。

短編として取り上げられるのは、菓子職人であったり、官僚だったり、医者だったり、はたまた総理大臣だったりするのですが、一貫して彼らをして語らせる「食と農業」に関する問題提起も、長編とは違ってダイレクトにメッセージが響く感じで小気味よいです。

一国の総理大臣のエピソードは、なんと言うか星新一のショートショートを読んでいる感じ。

遊びごごろもあって個人的には好きです。

ぜひ、いつか製造業や科学をテーマに、こうした短編を書いてもらえないかと期待させる一冊でもあります。おすすめ。

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想いを馳せる『昭和の鎌倉風景 around 1955』

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DSC07889

 

我が家の「夕飯緊急避難場所」としてお世話になっている、定食屋しゃもじにてヨメさんが発見。

いいっすよー!ということで、パラパラとページをめくってみると、想像をはるかに超えるスケールと、生活密着間のあふれる鎌倉の姿がそこに。

で、三留商店でお買い求めさせていただきました。うわー。

  由比ヶ浜海岸と滑川河口

松林・波のセットの入り方・広大な浜。

DSC07890

 

  団蔓の桜

この木々の多さと、人の少なさ。そして、このアングル。
(ホント、どうやって撮ったんだろう・・)

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  RESTAURANTリビエラ 長谷2丁目 稲瀬川

昭和29年の風景。なにこのウォークスペース。気持ちよさそう。

DSC07893

 

一部だけご紹介させていただきましたが、他にも今の鎌倉とは全く異なる風景が満載で、見ていて飽きません。

それは、カメラマンの竹腰眞一さんの想いが写真から溢れてくるからに他ならないような気がしてます。この写真集は36歳の竹腰さんが不慮の交通事故でお亡くなりになって後、50年以上もひっそりと眠っていたものを纏められたものですが、鎌倉の何を残し、「テーマパーク化するこの場所」の、何を変えてゆくべきかについても考えさせられます。

昭和の鎌倉風景 around1955
昭和の鎌倉風景 around1955

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竹腰 眞一
冬花社
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MSN産経ニュース: 2014.5.8

戦後の鎌倉がよみがえる 早世の写真愛好家、長男が作品集を出版 神奈川

 

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書評:「チームのやる気スイッチ」とは・・?

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またまたR+(レビュープラス)さまより献本をいただき読了。

コンサル時代に、チームファシリテーションについては結構勉強したものの、そうした「通り一遍」的なアプローチとはかなり違った切り口で「スイッチ」を入れてゆく手法が書いてあり、かなり実践的な内容と言えます。

特に印象深かった点は;

  1. メンバーのやる気は「収入」レベルによって左右される
  2. そもそもメンバーに、最初から「やる気」を期待してはいけない
  3. 「お金まわり」の自己分析を通じて、仕事へ向き合う姿勢を変えていってもらう

という点でした。

このあたりについて、著者の徳永さんは美容室、訪問介護ステーション、中古車事業所と言った、想像するだけでも離職率の高そうな事業の経営をなさっておられ、泥臭ーーく現場でのモチベーション改善を実施してこられたんだなと、ご苦労がしのばれる一冊でもありました。

職場で仲良くなった人なんかとは、仕事ができる人かどうかにかかわらず「個人」としてその人を認める方向に行ってしまいがちですが、やはりそこは、「メンバー」として、個人とは切り離して考える・接する部分が非常に重要なんだとRegain自身は痛感することしきりの良書です。

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書評:スノーデンファイルと僕らのプライバシー

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スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実
ルーク・ハーディング Luke Harding
日経BP社
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R+(レビュープラス)さまより献本を久しぶりにいただき読了。

ウィキリークス事件ってありましたが、あちらをはるかに上回るレベルでの情報漏洩のインパクトとしても、その顛末がどうなるんだろうというミーハー心からも、結構気になっていたので一気に読み切りました。

まあRegainは、通話だろうがメールだろうがSNSだろうが、フェイスブックだろうが、およそ一般個人の会話が監視されていた(いる)と聞いたって別に驚きはしません。表現の自由の観点でいえば、およそ無法地帯なネット社会なわけで、逆に言えばネット上で個人のプライバシーが守られるなんて、はなから信用できませんからね。

今やドイツ首相の電話がアメリカで盗聴できるくらいですから、ほんと何でもありの世界です。

それにしてもこのスノーデンファイルの事実は衝撃的。。

 スノーデンの接触を受けた米国のフリージャーナリストは、いまや、機密情報の宝の山を手にしていた。ロンドンの『ガーディアン』が2010年に報じたウィキリークス事件は、米外交公電、アフガニスタンやイラクの軍事資料をチェルシー・マニング上等兵が漏洩したものだ。そのうち比較的低いレベルの機密指定を受けていた情報でも、わずか6%にすぎなかった。

 ところがスノーデンファイルは次元が違っていた。ほとんどが「トップシークレット」かそれ以上。かつて、ケンブリッジ大学で教育を受けたバージェス、マクリーン、フィルビーらのスパイがソ連に亡命するというメロドラマじみた事件があった。だが、これほど大規模な文書漏洩はいまだに例がない。

情報活動に興味のある人のみならず、ネットを使うすべての人に、その裏側というか国家単位で「何を見ているか」の一部が垣間見えて、お勧めです。  

スノーデンの特徴でもあり、僭越ながらRegain的に好きなところは、ウィキリークスなどと違って反体制的ではなく、純粋に国益を考えつつ一般市民のプライバシーを懸念して暴露するという、若者的な正義感と個人としての行動力。 攻殻機動隊の「笑い男」ことアオイくんとの親和性を感じます。

スノーデンからの情報受領者であるグリーンウォルドによる『暴露』もありますが、インターネットを軸にした国家と個人の攻防という意味で、こちらの本の方がダイナミズムを感じます。『暴露』はどちらかというと、 周到に用意された一人称のドラマストーリーという読後感。

暴露:スノーデンが私に託したファイル
グレン・グリーンウォルド
新潮社
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佐藤優氏が「推薦のことば」としてこう記しています。

国家の干渉を憎むスノーデンが、国際政治の複雑なゲームに巻きこまれた結果、国家主義的なロシアの庇護を受けるようになるというのも興味深い。

機密を保持する内部告発者が逃走、という格好のテーマでもあり、制作が進むこととなったこの事件。

スノーデン元職員の機密暴露、内幕本2冊が映画化

今後も終わることのないでしょう、永遠の追跡劇。これからを生きる僕たち、その次の世代にとっても、きっと「教科書には載らないだろう史実」として、脳裏に鮮明に残る良書でした。

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【レビュー】 若林 計志 『MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み』

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ひさしぶりにこちらよりご献本をいただき読了。

  3つあれば、十分。

 題名の通り、本書は主にミドルマネジメントやリーダーがチーム・組織の運営を行う際の「基礎」であり「普遍的」な要素を示しつつ、具体的な事例でそのケーススタディを行うというのが大きな構成となっています。 

 著者の若林さんは、大前研一さんの名前でつとに名高いビジネス・ブレークスルー大学院(MBA : ボンド大学院とのパートナープログラム)の設立から携わり責任者を10数年務めた、いわば日本における民間MBAプログラムの功労者といっても過言ではないかと思います。

MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み (PHPビジネス新書)
若林 計志
PHP研究所
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 本書の最大のエッセンスは、チームマネジメントのポイントを、以下の3点に整理している点にあります。

    1. 行動コントロール: プロセスマネジメント
    2. 結果コントロール:  KPIおよびアウトプットマネジメント
    3. 環境コントロール: 組織風土マネジメント

つまり、組織をマネージ・リードする際に重要なのは、「最適・効率的な行動」と、「目標設定の明確化」と、それらを包含するチーム自体の「雰囲気・環境」の3つの視点からそれぞれの組織メンバーにベストフィットするアプローチを、複合的に実施することとされています。

 本書が非常に有用だ、とRegainが思ったのは、リーダーやマネジメントがこれらを認識するだけでなく、チーム構成員が行ってみれば同じフレームワークでコミュニケーションを行うことが可能になる点にあります。 文中でも指摘のある通り、「マネジメント・リーダーの言っていることが、上記3つのどれにあたるか」が理解できるだけでも、チーム員的には「次と、その次に何をすべきか」が見えてきます。 
 また、コミュニケーションと言う観点においても、何を言っているのか意味不明な上司のレビュー、、と扱われてしまうことなく、マネジメントからは「俺はこの点を話している」チームメンバーからは「私はこの点を課題と考えている」など、課題の特定と具体的なアプローチを話し合う論点を定性的な観点だけでなく、ある時には定量的に、あるいは明確に整理された形で「議論」できると思うのです。

長年付き合った上司と部下。 その、「あうん」の呼吸に基づく組織的な素晴らしさに磨きをかけるには、この3点を把握しておくことは非常に役に立つのではないでしょうか。

Regain自身も、チームメンバーと「チームのあり方」を議論することは普通にあるわけですがそうした際に「単なるグチ」に陥ることなく建設的にアウトプットを出すために、この3点はしっかりと肝に銘じておきたいと思います。  あ、チームという意味では、これはダンナが奥様を、奥様がダンナを、というように家庭においても十分に応用できますね。 

   余談です。

最後に、題名に「MBA流」とあるのは若林さんのご略歴を踏まえたうえで付されたものと思いますが、どっちかと言うと「行動・結果・環境」という3点を(オビでなく)もっと訴求してもよいのではと思いました。 なんというか、せっかくの素晴らしい内容が、「よくあるMBAかみくだき本」みたいな第一印象になってしまうような気もして。 ここが、非常に惜しい!

 

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【おススメ本】 理央周 『テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?』

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今やマーケティングの大家として影響を増しつつある、理央周(めぐる)さんの第4冊目。

「マーケティングをわかりやすく」

本書のテーマは一貫してここに置かれているのですが、正直な読後感は「いやー、本当に判りやすい」でした。 理央さんの真骨頂発揮、とでも言えば良いでしょうか。 サブタイトルにもある通り、「自然に売れる仕組みづくり」をストーリー仕立てで一気に読み進められます。 

テレビショッピングは、なぜ値段を最後に言うのか?
理央 周
ダイヤモンド社
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本書でも指摘されているのですが、「マーケティング」という言葉自体がビジネス活動において非常に曖昧な存在となっている理由は、「売る」というアウトプットゴールはありつつも、往々にして「手法中心」になったり、「理論中心」になったり、「現場中心」になったりと、企業やビジネスのあり方に応じてアプローチがそれこそ無数に存在していることから 「理論じゃ現場は動かせん」とか「現場が従ってくれない」的な本末転倒の結果に陥ってしまうわけですが、本書では見事にその手法を「理央流」に整理してくれています。

そもそも、マーケティングというのは事業・ビジネス全体を俯瞰しながら、最終目標に向けて全体のリードを進めてゆく「経営の根幹」でもあるとも言えます。それだけに難しく表現すれば幾らでも名著はあるのですが、理央さんの「マーケティング=売れる仕組みづくり」「何を、誰に、どうやって」というシンプルで覚えやすいキーワードを軸にストーリーが構成されていてとにかく読みやすい。 背景には理央さんの深い知識があるのは言うまでもありません。

舞台設定としては、新商品導入に向けた広告代理店のマネージャー、MBAを取って転職してきた新人、デザイナーを中心としながらも、そのクライアントのみならず家族や友人との対話を織り交ぜながらローンチに向けマーケティングの理論・手法・実際の落とし込み、がストーリーを追うごとに示されてゆくのですがその「筆の運び」が非常に巧み。

えてして商品導入のプロジェクトっていうのは、どの企業でも少なからず新規事業的な要素が含まれていて、既存製品のように「お決まり」のアプローチでは通用しないだけに、現場においては「で、次は何しないといけないんだっけ」とか、「何を想定しておかないといけないんだっけ」的な基本的な視点が抜け落ちてしまうことが多いのではと思います。 

本書はそんな時に、ふっと立ち返ることのできる「置いておいて損のない本」と表現できるのではないでしょうか。 

Regainなりに理央さんのこれまでの著作を振り返ると;

という感じになるのですが、今回の小説は、それらを全て凝縮した上でひも解きなおした「珠玉の一冊」だと思います。 

 

※そして巻末付録の用語集も見逃せません。小説の舞台・人物を使いながら用語を読むと、本書の効果が2倍にも3倍にもなるのではないでしょうか。 いやー、ホメすぎか(笑)?

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【おススメ本】 『イノベーションのDNA』

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日本での出版自体は2012年1月と、それほど新しくはないのですが、前から気になっていた本をようやく読了。

イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)
クレイトン・クリステンセン ジェフリー・ダイアー ハル・グレガーセン
翔泳社
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気にはなっていたけれど手に取るモチベーションが高まらかなった理由は大きく2つ;

  1. アカデミックによるリーダーシップなどの研究本は、どうも「学術」くさい。というか、かなり過去事例の分析としては参考になるが、結局のところ心に響いたり、示唆を得たりするものが少ない
  2. イノベータと呼ばれる方々(有名どころで言えばスティーブ・ジョブスやジェフ・ベゾスなど)は結局、いろいろな意味で「特別」なのであり、それをひも解いた場合に、一企業人や個人レベルでどういう応用ができるのか?(上記と似てますが)が結構疑わしい 

。。。でした。

ただ、昨今のソニーやパナソニックをはじめ、いよいよ日本のお家芸的なインダストリーが大量リストラを加速させたり、”Makers”に代表されるような、イノベーションのシーズが大企業中心ではなくなるのでは?的なトレンド感があったりということで、「集団ではなく個人とか小規模レベルでイノベーションを起こすための要素ってなんだろう?」という思いが日に日に強まり、これを気に一気に読み切りました。

結果としては、期待以上の内容でした。 個人スキルとしてのイノベーション実現力、というか、「変えるべき対象をどう見つけ、変えてゆくか」という方法論を、いわゆる成功者へのインタビューを基に整理されていて、それがよく纏まっているし、なにより心に響きます。

本著の冒頭に、それがよくまとまっていましたのでご紹介。

イノベータが人と違う考え方ができるのは、「人と違う行動」をとっているからこそだ。すべてのイノベータが、常に疑問を持ち、現状に風穴をあけるような質問を頻繁に投げかけていた。世界をこの上なく熱心に観察している人もいた。多彩な人たちとのネットワークを築いた人もいた。実験を軸にして、イノベーション活動を進めている人もいた。これらの行動、つまり質問、観察、ネットワーキング、実験は、継続的に携わることで、新しい事業、製品サービス、プロセスの源泉である、関連づけ思考を刺激する。一般に、新しいアイデアを生み出す能力は、純粋に認知的スキル、つまり頭の中だけで完結するスキルだと思われている。しかしわれわれの研究は、革新的なアイデアを生み出す能力が、知性だけでなく、行動によっても決まるという、重要な洞察を示している。これは誰にとっても喜ばしい知らせだ。誰でも行動を変えることで、創造的な影響力をますます発揮できるのだから。

つまり「何に対して、どう行動する?」という個人ベースでの基本的な姿勢を本著では具体的に、事例を中心に語られています。これをスキルというべきか、姿勢というべきか。 その両方なのでしょうけど。 

調査の結果としてまとめらた5つの特性(質問、観察、ネットワーキング、実験、関連づけ思考)がイノベーターの行動の源泉として整理されており、各々の詳細な実践方法と、それらそれぞれの能力を伸ばすヒントがこれまた世界的に有名な「リーダー」のインタビュー事例をもとに描写されてゆきます。 この5つの特性自体は、個々に見れば特段目を見張るようなことでもないのですが、「リーダー」によりどういう差異があって、それを彼らがどう活用しながら自分自身をリーダー足らしめているのか、という点の記載が非常に興味深い。

他方、個人ベースだけでなく、小規模チームについての記載も非常に興味深い内容でした。

世界で最もイノベーティブな企業には、イノベーションを深いところで理解するリーダーがいる。リーダーは優れた発見力でイノベーションの陣頭指揮をとり、絶えず画期的なアイデアを提供する。実行志向型のトップがいる企業の幹部がこぼしていた。「実行にとらわれていたら、社員はイノベーティブになれない。そんなことでうまくいくはずがない」 (中略) 発見志向型と実行志向型の人材が互いに影響し合い、学び合い、支え合うことで、イノベーションの強力な相乗効果を生み出す土台ができる。

つまり「リーダーの存在」があっても、彼らが管理者や実行型マネジメントを強いられる限り、本来のリーダーシップやイノベーションは生まれにくい、という点はまさに今の日本を象徴しているように思わせられます。 逆に言えば、これからは小規模チームのプロジェクトに相当程度の自由度・裁量を持たせ、自社のいわゆるマネジメントプロセスからいったん切り離した形でビジネススタートアップを図る大胆さをもっと加速させる必要が本当に求められる時期にあるとも言えるのかもしれません。 

ただしそうした「ハコ」を準備したとて、個人ベースの創発意欲がなければ無駄に終わるのも事実。 どっちが先、と言えば日本においてはまず組織だろう、とRegainは思います。 個人で何かをする、とか、会社にアングラで何かをする、ような意欲を持ち続けることは、誤解を顧みず言えば少なくとも大企業に属する個人にはほとんど残っていないような気がします。

その一方で、「一人ひとりによるそんなにイノベーションって大切なのか?」「別になくたっていいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、Regain的には、イノベーションというのは身近なものなのだと思うのです。身の回りにあって自分や集団にストレスを与えているもの、それを解決することで得られる喜びみたいな感覚、これこそがイノベーションを起こす動機なのだとしましょう。 そうした場合に、モノやサービスがあふれ、「ストレスなんかねーじゃん」と思われる場合は、「退屈じゃなくすること。暇つぶしじゃなく」に向けた、自分ならではの「改善」をトライしてみることで、今までの環境が、目に見えないストレスを増幅させてたんだと気づかされることになるんじゃと思います。 それは、家の模様替えでも、退会が延び延びになっているツタヤのオンラインをキャンセルするでも、はたまたDIYでも、家族との対話でも、そういうところからイノベーションの源泉が生まれてくるんだろうなあと。

「なんか面白くない」「クサクサする」そういう感覚を強く抱く方、たとえその方の業種が何であれ、にとっては大変有用ではないか、と強く感じる一冊でした。そう、Regainにとっても。

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メイカーズの動きは2年で決まるんじゃないかと

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最近とみに話題になっている、「メイカーズ」。

ものづくりの新潮流か?日本の製造業のプラットフォームを変えるのか?などなど、元来「製造立国」として存在してきたニッポン国の根幹を変革するような期待感を持ってメディア等で取り扱われることが多くなってきている気がします。

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他方で、論調が声高(扇動的)になればなるほど、シンプルに二つの視点で見ておく必要があるとRegainは考えています。それは;

  1. そもそも「Makers」と総称される活動って何なの?(主体の定義)
  2. 日本ではこれまでどうあって、今後どういう方向になるの?(主体を軸にマーケティング4P)

前段の1.について、ですが。クリス氏が「メイカーズ」において示す活動主体としてのMakersは、基本的には「普及価格帯に近づいた製造プラットフォームやファイナンス形態を前提として持ちつつ、従来”ホビー”として捉えられていた創作活動や大企業でしか難しかった試作・開発活動を、従来よりも手軽に実現する個人・小規模集団」と言えるのではないかと思います。 

で、このひとびとの創作活動が、従来のホビーやラピッドプロトタイプ領域を超えるから熱いまなざしが注がれているわけではなく、そうした活動を支援するプラットフォーム(クラウドファンディング、FablabやFabcafeなどの認知度の向上、CEREVOの岩佐さんやBsizeの八木さんに代表される『小規模ものづくり』のある種の成功ストーリーなど)が整いつつある「現状」が、いわゆるキャズムを超える一歩手前にある状態にある、と。なんとなくイメージしていた「すぐそこにある未来」が実現しそうな感覚を持つがゆえに、ある種の熱狂で迎えられている、それがMakersという主体に対する日本での扱いなんじゃないかなあと。(もちろんアメリカで先行しているが故の「日本でも!」的な期待感も幾分かは入っているはずですが)

ただ、メイカームーブメントはキャズムを超えるか!?にあるように、実際にその方面に携わってきた方々は極めて冷静である一方、この潮流を「大企業的には」どうとらえればよいか- 市場・自社・競合といういわゆる3C- を考えようとした時、行き詰ってしまっているのが、メディアを扇動的足らしめている理由のような気がしています。この動きをどうビジネス化してゆくのか?ってことです。

つまり、現状は見えるけど方向感が不透明。

そもそも日本においては、純然たる「メイカーズ」の動きはありました。 父ちゃんは家の修理をするついでに、小さな息子に木のおもちゃを作ってやる。母ちゃんは娘が欲しいといってた服によく似た感じの小物入れを作ってあげる。長男のボクは超合金が買えないのでプラモデルを何とかかっこよくしようと身近な素材を使って仕上げる。。みたいな。

それが、現代では。極論すれば、ありとあらゆるサービス・商品が過剰に存在する中で、「自分で作ることの喜び」を見出す必要がなくなった状態において、個人が自分仕様にカスタマイズできる環境が身近にあったとてどれほどの需要があるのか? 。。つまり日本でいま取り上げられているメイカーズの動きは、80年代、モノづくり絶好調時代のノスタルジーを感じさせる動きでありつつも、他方でマネタイズを個人に対して考えた際にサービスとしては今一つ?という、市場としての定義が現時点で行いにくいことは特筆すべきことなんじゃないかと思います。

市場のとらえ方のむずかしさは、上記のような定性的なものの前提としての数値にも存在します。普通に一軒家のガレージにDIYキットが誇らしげに並び、週末には芝生を手入れしながら車をいじる、みたいなアメリカとの違いも十分に考慮すべきでしょう。アメリカは日本の2.4倍の人口、国土面積24倍(この手の動きの中心でもあるカリフォルニアがちょうど日本と同じサイズ)、4倍のクラフト市場規模(日本:約650億円)、6倍のDIY市場規模(日本:約4兆円)。 DIYやクラフト、ホビーに対する実需の動きをどう作るのか、従来「日の目を浴びにくかった」市場だけに、クラフト女子みたいな流れだけで進んでよいのかという、業界リーダーの悩みも多いはずと思います。牽引するのはアニオタ市場・とくにフィギュア市場と見られなくもないですが、3Dプリンタで大量コピーが安く早く提供できたところで単価は下がるしビジネス的には厳しい方向へ行かざるを得ないと。NG方向になっちゃいます。

その意味では、ラピッドプロトタイピングについては日本のメーカーが事業の再構築を加速する中で一定の需要は見込めそうですが、守秘義務や知財回りが受委託上はハードルになるのと、すでに台湾・中国などでOEM/ODMが先行していることとの棲み分けを考える必要があります。また、個人の創作という観点では何より技術者自身が個人やチームレベルで「作ってみよう!」という動きになりにくいのが日本の現状といえるのではと思います。(仕事でやってることを、週末までやりたくない、とか、そんな意欲を示すのはちょっと恥ずかしい、、など)。これがキャズムを迎えるためにブレークするべきもう一つの要素ですが、ブレークする為には「親も子も」的なの「ものづくり教育」を視座においた活動が不可欠になるでしょう。教育という意味ではメイカーズ活動を支援するスタッフの不足も無視はできません。電気もメカも、という人はエンジニアにもそうそういません。そもそも人材足りません。

なんだか長くなりましたが、ざーーっくり言うと、日本でメイカーズの動きが定着・発展するには、「こんなことができるよ」から始まって、「やり方知ってるよ」に至り、「こりゃすごい!」という商業的な観点での成功事例を継続的につくること、これが必要なのではないでしょうか。FablabやFabcafeの活動は「こんなことができるよ」をビジネスというよりFabのIRとして訴求する場所であり、その存在が脚光を浴びているというのは、くしくもメイカーズの動きが黎明期であることを象徴しているなあと。

テクニカルスタッフが一定量揃い、それらスタッフ自身が活動を通じて成功者であったり、「目指したい姿」を体現していて、 そして活動できる場所が少数ではなく多数存在していて連携を図ったり、有機的な活動を行いつつそれが「教育」へもつながる、、その結果として「ものづくり」ムーブメントが常にサステナブルな状態になるようなイメージがRegainにはあります。

・有名デザイナーやアーティストによる「ものづくり」の訴求によるユーザー層の拡大

・やりたい!と思ったときにできる為のプラットフォームの整備(リアルに固定店舗である必要はない。車に機材を積み込んで、モバイル・時間貸し的なアプローチでもよい)

・作ったものを継続的に売れる場所。クラフトとプロトタイプを包含しつつも楽天のように、個人も集団も商業ベースを常に意識できるプラットフォーム。

・顧客は成人男女だけでなく、子供も顧客。「教育サービス」を視座に。

これが形にできるとき、日本ならではのものづくり活動が日の目をあびてくるんじゃないかと思います。みなさんはどうお考えでしょうかー?

サービスライフサイクルの観点でいえば、この1年はサービス台頭の黎明期。来年がサービスとしての伸長期でしょうか。逆に言えば、来年を射程においたスタートダッシュをこの1年以内に行うことがこの業界を成功する秘訣なのかもしえませんね。

アニメの商業的データ Wiki – 市場規模・総売上

矢野経済研究所「2011年オタク分野別市場規模推移」

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ソーシャル、出会い、人、自然

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3年ほどまえ、当ブログを始めたばかりのころに、この界隈でブログをなさっておられる方を探し求めていたことがありました。 

その折にRegainから熱烈に(押しかけ的に)コンタクトさせていただいた方の一人が、加藤 康祐さん。 最近ではET Inc.における、Webデザイン系のご本業と同時的に進めておられる、様々な人と人との「つながり」をコーディネートするプロデューサー的なご活躍もなさっておられます。 いつも「地域とIT」という視点で物事を考えるときに、まっさきにご相談をさせて頂きたい方の筆頭にくるのが加藤さんなのですが、年始にFBで「会いましょう!」というご連絡をいただいたこともあり、北鎌倉の鉄板「侘助」で食事しながらお話をさせて頂きました。 

北鎌倉にお住まいのご友人で清水弘文堂書房の社長、磯谷日月さんにもご参加いただき、積年の顔合わせを喜びつつ、それぞれの活動をシェアしながらあっという間に時間が過ぎ去ってしまい。

その時間の短さは、満足感の裏返しである一方、それぞれの「餅屋」を使って何かしてみたい、何かできないか、という強い思いとワクワク感を残しながら次回にその辺りを持ち越すことになりました。 

そして、磯谷さんからこの日のためにご献本いただいたのがこちら。

けふはここ、あすはどこ、あさつては―C・W・ニコル×山頭火の世界
C・W・ニコル 南健二
清水弘文堂書房
売り上げランキング: 747,395

Regainは午後に所用があり、2時間ほど電車に乗っている間に一気に読了。

題名でもある、『けふはどこ、あすはどこ、あさつては』は、有名な山頭火の一句です。本書は日本の自然に魅せられ、あり方に憤り、いまここにいるCWニコルさんの鉄のように固い意志とやささしいまなざしを包含しつつも、人の歩みってなんだろうかと思わせるニコルさんの叙述(インタビュー)と、サブコンテクストとして山頭火の句が対になって、読み手がさまざまな思いを馳せることができる一方で、「自然と人間」という中心軸がブレることなく貫かれており、本を閉じたあとに清々しさを心に刻む、良書だなあと思います。

前職家電メーカー、現職経営コンサル、という身の置き方をしつつもここ鎌倉に暮らす際に(少しだけ)考えた「自然との共生」。それはブログであれ、何であれ、ツールがどのように発達しようが変わりようのない根源的なものであると同時に、ソーシャルな手段のフレキシビリティが上がれば上がるほど、人のまなざしを収斂してゆく必要のある大切なものではないのかとも思わせられました。

素敵な出会いに感謝。ありがとう加藤さん!

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【おススメ本】ひつまぶしとスマホは、同じ原理でできている

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このところ読みたくても積んでおくしかなかった本を読む時間を少しずつでも確保するようになり、こちらもようやく読了。

ご当地名古屋では既に圧倒的な人気を誇る、理央さんの第3作目。

ひつまぶしとスマホは、同じ原理でできている (日経プレミアシリーズ)
理央 周
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 14467

これまでの『サボる時間術』と『最速で結果を出す人の「戦略的」時間術』で、創造的な時間の確保と重点的な時間の配分に向けたマインドセットをマーケッターとしてのこれまでのご職歴を踏まえながら展開されていた内容であるとするならば、本著はその題名からする通り、「理央流発想術」とでも言える点に特徴があると思います。

10数年前まではある種変わった地域としての扱いを受けていた名古屋というエリアの作り出した様々なサービスの源泉にあるものとして、本著を読むと「実践(やってみよう!)」と「改良(もうちょっと良くしてみよう!)」、そして「口コミ(ネットワーク)」、さらにはそれらを総合的にまとめる「場所」の重要さが随所に指摘されています。

ベンチャーが、ビジネスプランをもとに、、という堅苦しさとはちょっと異なるけれども厳しいビジネスの延長線上で、「名古屋製品」「名古屋サービス」はたゆまぬ挑戦と改良を続けた結果、そして東京という「中心」ではなく「周縁」にあったからこそ今の認知を確立したのかなあと思わせられます。

それは一言でいえば「こんなん作ったぜ!」的な楽しさに集約されるとでも言えるでしょうか。理央さんが一例として書かれている通り、Microsoftとは異なるスタンスを歩み続けたAppleの、機能=ユーザビリティと・インターフェース・デザインの追及の観点と、「名古屋発XXX」は同じスタンスにあると言えるかもしれません。(最初はどう論理を展開するのかとドキドキしましたが。。)

本著のもう一つの特徴は「コラム的であること」。 マーケティングコンサルとしての理央さんの視点を通して描かれる「名古屋製品」「名古屋サービス」の数々が、コトラーやレビットなどの理論も含めて「俺たちのやってきたことはこうなんだ!」的にそれぞれ解説がなされてゆく内容が、非常に個性的ではないかとRegainは思っています。 コラム的、と書いたのは、それらの解説において理央さんが主観的に(楽しみながら)自論を展開されているので、本書をベースに様々な議論が展開されてもおかしくないかなあと。 一度でも名古屋に行かれたことのある人にとって、本書はうなずき反面、異論反面の楽しい書籍であることは特筆すべきでしょう。 

時間術、発想法、次は何が出てくるのでしょうか。 今から楽しみです。

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