今日はインテリアの買出しの為にIKEAへ。
すごいですね~
売上高は212億ユーロ(約3.5兆円 2007年9月1日~2008年8月31日)。
IKEA at a glance 2008 (2.25MB)
わが国の誇るソニーの売上げが7兆円ですよ。
大規模物販による価格の安さと、デザインは目を見張るものがあります。
1974年に一度日本進出したものの12年後一度撤退し、日本再上陸。
2006年4月に千葉県舟橋、同年9月に横浜、そして08年4月に神戸ポートアイランドと続いて出展され、今後11月には5店舗目として埼玉県三郷にも出店される予定との事です。
似たような業態としてはアメリカのSAMS ClubやCOSTCOのようなWarehouse Clubを連想するのですが、単独の小売という意味では限りなくユニクロ(SPI)に近いバリューチェーンを取っています。
それでも頭一つ抜けているのは、経営理念の明確化と、売り場から顧客へ発信するストーリー性でしょうか。
経営理念はWEBやカタログで一見して判るとおり。
書籍『IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣』にはその成功の秘訣として、創業者イングヴァル・カンプラード氏の経営哲学がベースとなり、その特徴としては、
1.低価格
2.デザイン性の優れたスタイル
3.販売システム
4.流通システム
5.ブランド・イメージ戦略
6.創業者のカリスマ性
ストーリー性というのは、
①家具そのものではなく、「家具によって作られる空間」を売る
(よって、「この家具一式そろえるといくら、という表示を良く見かけます)
②一つ一つの家具によって、置かれる空間を「このように」演出します、という提案が店舗に見られる
(よって、家具と人、というカタログ・WEBの演出が非常に多い)
③キッチン、リビング、というように基本は商品カテゴリーごとの分類ですが、それらを統合したショールームが構築されていて、その後に購入するためのマーケットプレース、という形で動線が設定されており、ある種のテーマパーク滞在型スペース&購入となっている
(よって、欲しいものがあればチェックしながら歩みを進められる。途中で食事もできる)
また、前掲の、『IKEA 超巨大小売業、成功の秘訣』では、これらを【ソリューション陳列】として解説しています。それは、
1つめのAは、Atmosphere(雰囲気)
2つめのAは、Achievement(業績・成果)
3つめのAは、Assistance(助力・援助)
そして最後のAは、Assortment(取り合わせ・詰め合わせ)
によって構成される要素だとか。ふーん。まあ、ライフスタイル提案型、という事なんでしょうか。
(実は、よく理解できなかった。。)
WEBで調べてみたら、面白いことが。この会社、デザインはスウェーデンに集中させていますが、会社はオランダにあるんですね。なんでも、2代目への事業継承を行わずにグローバル展開させてゆく為の必要な戦略なんだとか。
2006年のEcomomist誌に面白い特集記事があり、日本語訳&キョーレツな解説が山形浩生さんによりされていました。いやあ、不勉強でした。。
で、本題?ですが、我が家ではこれらを購入しました。
①小ぶりなパキラ&鉢植え。
②特価品の"BRATTBY"。温度・湿度計も付いているので。
③キッチン、リビング照明用に"BASISK"。
ただ、ハロゲンランプなので設置後に、これはちょっとメインとしては暗いかな~、と思いました。ウォールランプの追加が必要かも。
④ "BEKVAM" (脚立です)
最後に商品に対してのコメントになりますが、組み立てていて気づいたことがいくつか。
1.組立て説明書が、主に図示されて説明されている。
2. 説明書の注意書きが、多言語対応してある。
3.スペアネジが無い。
日本のメーカーにある、きめ細かく分厚い取扱説明書とは対照的です。
シンプルかつGlobal対応をさせるための「ムダ廃止」が徹底されている印象を強く受けます。
(注:ネジなどは、無くなった場合には追加サポートをしてくれることもあるとか)
こんなことに感心しながら、作り始めたのですが、、、、
「図」が判りにくいです。日本の説明書に慣れているから、というよりは細かい部分を省き過ぎている感が強い。また、付属工具が非常に使いづらい。
DIYが普及している国で、家に工具を置いてあることがあらかじめ想定されているなら、これはしごく的を得たアプローチですが、
日本のように上げ膳据え膳でメーカーがPL(Product Liability)を考えて準備する環境から考えると
ちょっと改善の余地はあります。たとえば、ですが;
・かなりステップ進めた後に、各部品の指定がされていたり(今更?あれ?という印象)
・付属レンチがすべる。使いづらい。組み立てがスムーズに進まない。
こういうのが重なると「安いからなあ。。」と自分を納得させてしまうのですが、北欧デザインと品質=ユーザビリティを唄うIKEAであれば「安いからしょうがないか」と消費者に思わせる一つ一つの積み重ねは大きなダメージとなるはず。商品企画のモットーとして、ですが、「戦略は細部に宿る」=顧客満足の累乗効果を忘れずに!という部分であるとも言えます。
まあ、それでも完成した際のコストパフォーマンスの高さは、特筆すべきものがあります。
日本人はミニマリスティックな北欧デザインへの嗜好が強いと言われますが、「俺って日本人」と強く感じたプロセスでした。
なんだかんだと書きましたが、間違いなくまた行ってハマってるでしょう!!
参照リンク:
YAMAGATA hiroo Official Japanese page
3度目の正直!(慶応大学経済新人会 マーケティング部さんへのリンク)
「IKEA meets JAPAN イケアの日本進出戦略と環境への取組み」
(小川 孔輔先生 2007.01講演録)