日経平均の回復と、2500億ドルの注入に喜びたい所ですが、ごまかしに過ぎないように思えてならないのは私だけでしょうか。
マクロエコノミーのドライバーが米国である事は間違いありませんが、資産デューディリジェンス強化を数値目標化する形でモデル化しなければ、今後 どの国でだって同じ事が起きますよ。今のアメリカは、誤解を恐れずに言えば自分のオシリを自分でふけない「駄々っ子」と同じです。「世界の繁栄を作ってやったのは俺たちだ。だからカネを出してくれ」「俺たちも金を刷るし、銀行を国有化する=Government Guaranteeするから」 かつてカントリーリスクの為に政府保証を入れなければビジネスができなかった東南アジアと、姿がダブります。
異なるのは、アメリカが機軸通貨の発行国である事。国が介入する事で不良資産が一掃できればよいですが、回復局面に至るまでにアメリカは一体どれだけ自国中心のパワーポリティクスが貫けるか?
ビジネス知識源「恐怖の8日間」(081014:有料版です)
●対外純債務国(米国)が、金融危機の中心というのが、今回の危機の最大の特徴です。
1929年の大恐慌のとき、米国は対外純債務国でははかった。1997年の、日本の金融危機の時は、日本は対外純債務国ではなかった。
2008年からの米国は、
・減税で18兆円、
・イラク戦費で20兆円、
・医療費や国防費の財政赤字で40兆円、
・金融救済で確定した分が70兆円、
・貿易赤字で、80兆円を使います。
米国に必要な、海外からの資金の流入は、今後1年で、18+20+40+70+80=228兆円になります。これは、過去の100兆円水準の2.2倍です。
●今後の焦点は、米国が必要とするこの228兆円を、どの国が、米国債あるいは借用証と引き換えに、供出するか、です。
日本・中国・アラブが、総力を挙げて米国債を買っても、買い切れない金額です。▼ドル下落に向かう米国債を、どこが買うか?
米国は2009年、2010年にかけて、228兆円もの国債の増発が必要だということを示しました。
●米国債は、今でも、その94%を、海外が買っています。米国内では、増発される国債を消化できない。根底の理由は、毎年の、国民の増加預金(残高は700兆円)がないからです。
【重要】228兆円ものドル建て証券を、どこの国が、買えるかです。買えなければ、中央銀行のFRBが買うしかない。日本、アラブ、中国を、懸命に合わせても100兆円分が限界でしょう。欧州は買う力がない。
そうすると、2000兆円の対外債務の米ドル証券が、激しく売られ、米ドルが崩落し、米国債の金利が、市場の圧力で高騰します。
▼米国世帯の消費は、100兆円が過剰だった
米国世帯の資産とは、株であり、住宅の値上がり(1年で100兆円~200兆円の含み利益)でした。
これがなくなると、米国の世帯は、1年で、100兆円くらいの個人消費を減らさねばならない。米国の個人消費は、約800兆円(GDPの70%)です。
100兆円は、12.5%の個人消費の減ですから、大きい。
1世帯当たりで1年100万円分の消費減です。
米国の消費者ローンは、大きく減っています。
2009年の米国GDPは、相当なマイナス(-3%から5%)になります。
これは、米国の自動車会社3社を破産させ、中国・日本の輸出工場も直撃します。米国での、日本企業の生産も、減ります。
FRBのデータをみると、ドル資金追加供給量はすさまじい。10月1日時点でのFRBの融資などによる資金供給残高は1兆5331億2800万ドルで、住宅公社、リーマン危機の始まる前の8月28日時点の9437億2500万ドルに比べて、5894億ドル、62%増。前年同期比で5271億ドル増だから、この1カ月余りで1年分をはるかに上回るドル資金を刷っては市場に流したことになる。
9月24日時点で、FRBが市中銀行に貸した資金のうち4分の1強は市場で使われず、FRBでの市中銀行の口座に戻っているのだ。資金は消えたわけではないのだが、ドル資金不足に悩む金融機関に回らない。理由ははっきりしている。金融機関が焦げ付きを恐れておいそれと他の金融機関に融通しないからだ。
結局、根本問題は腐った資産を抱えた金融機関の財務にあるわけだ。
誰がアメリカの崩落を支えられるのか?支えなければ、日本のGDPと生産性に影響を与えることも間違いないですが。
平均年収4000万円を約束 リーマン社員慰留に躍起の野村 (ダイヤモンドオンライン)
野村社員、やってられないでしょうね。。