年末年始の北京旅行前に読了。
KAYACについてこのブログでは何度か取り上げさせて頂いているのですが、柳澤さんの著作を読むのは始めてだったりします。 一見奇想天外に見えるあのKAYACのアイデア抽出法はいかに?と読み始めたのですが、書かれているのはどちらかというと仕事論でありキャリア論の読後感。 Amazonの書評欄に、「人生論としても面白い」というよう記載がありましたが、確かにその通りかも。
1.アイデアを出すノウハウ
「アイディアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外のなにものでもない」
ジェームス・W・ヤングの名著「アイデアのつくり方」は、企画マンとしてのRegainもボロボロになるまで読んだのですが、色あせないですね。
1つの要素から生まれるアイディアは1つですが、要素が2つになると、そこから生まれる組み合わせは3つ。
要素が3つになると7つ、要素が4つになると15個・・・まずは、ひたすら組合せを考える、「量産」の重要性はどんなインダストリーでも普遍なのね、と思いを新たに。
また、本書でその為のアプローチとして紹介されるのは、「結果逆算発想法」、「マンダラチャート」、「アイディアの公式」などですが、これらは仕事に対しても、個人に対しても、使い慣れる=実践してみることが重要なのかと。ブレストの共通言語としてこれらを皆が使えるようになると、生産性は確実にあがりますね。
しかし、本書のノウハウを紹介する箇所もイイのですがRegainが最も参考にさせて頂いたのは、「ブレスト実況中継」。
「満員電車を楽しく過ごす方法」をテーマに30分間でブレストする様子が、4ページほどの誌上に再現されています。
1つのアイディアが次の発想を呼び込み、次から次へと面白いアイディアが生まれてくる。
自分の会社であれば、、というシミュレーションにもなり大変興味深く追体験させていただきました。
2.楽しく働くノウハウ:面白がり屋になれ
言葉では簡単ですが、実際は難しい。ベンチャー組織はいろんな意味でプレッシャーも多く、「明るく楽しく」を実践するのは実はトップが率先しなければなかなか雰囲気自体を作りにくい経験をRegainは持っているのですが、だからこそ;
1. とにかく乗っかる
2. 自分からアイディアをたくさん出す
3. 楽しいと周囲に伝える
という柳澤さんのまとめは腹に落ちます。この3点には業務改善、リーダーシップ、戦略組織論がギュッと詰まっているような気がしていて、備忘録に残しておきたい大切なポイントだと思います。Regain的にあと二つ加えたいのは;
4. 無理にでも笑顔でコミュニケーション!
5. 目を見てまっすぐ!
ですかね。柳澤さんの3.に関連する内容なのですが、とかくPCの画面を見ながら、誰に言っているのか判らない発言やコミュニケーションが(少なくともRegainの所属する組織には)まま見受けられます。そうすると、結果的には議論も実は停滞しちゃうんですよね。また、同時に1.が不完全になってしまい、発言自体が無責任になる傾向があるように思われます。
この本は、仕事が合わない、回ってない、チームに溶け込めない、が故に会社にFitしていない、と思い悩む方には、熟読すると珠玉の1冊になるのではないでしょうか。「いつでも前向き」になるのは難しいもの。 その難しさと、克服のためのアプローチが書かれた1冊です。おすすめ!
<ご紹介>
本書で紹介されていた、一人でのアイデア、ブレストをサポートするデスクトップツール「Lonely Idea」。
マンダラチャートとマインドマップを合体させたような発想ツールで、無料で配布されています。
軽くさわってみましたが、ネットブックを持ち歩く方、会議のファシリテーターには大変役立つツールかも。