最近、昔の本の再読にハマっております。特に、バブル崩壊直後だけれど最悪期直前、とも言える94年~96年代の本が興味深い。 自分たちのやってきた事は何だったのか、内省と自戒を含めながらも、少しだけバブルの名残を懐かしむ、そんな雰囲気が感じられたりする時代。
そんな時代の中でも若干 異色とも言えるのがこの本。バブル崩壊後、ミドルから盛り上がるべき知識創造という、日本の付加価値のインフラの根幹が揺らいでいることへの警鐘を鳴らす一面を持っています。 孤立化?してゆきつつある感もある今の日本ですが、当時の延長から脱却できてないという側面を踏まえながら読むと、なお興味深し。
どうしてミドルなの?
元気がでる本
プロローグにはこうあります;
生き生きと活躍するミドルにずいぶんと会ってきたような気もするが、まだまだ大半のミドルは、疲れきっているようにも見受けられる。 (中略) たまったインタビュー原稿を何度も読み直している間に、ただたんに「元気が出る」だけの本よりも、読みながら自分の生き方を深く考え、読み終わった後、日本の産業社会でキャリアを歩むことの意味を考え続けるきっかけになるような本を目指すべきだと気づいた。
今や押しも押されぬミドル街道まっただ中のRegainですが、はたしてどこまで「創造」できているんだろうかと。 そもそも、何を「創造」することが自分にとって、社会にとって、最も良い事なんだろうかと考えた時に、マネジメント要求は理解できこそすれ、本質をまだ見極められていないような気がします。
言いかえれば、企業でキャリアを蓄積しながら、企業価値に貢献する実質的な成果物はあるけれど、それが本当に自分のキャリアベクトル、それもスパイラルに分散気味なそれと相乗効果を生んでいるのか?などと考え直している際に手に取った本でした。
企業ビジネスマンへの珠玉のインタビュー集。 ミドルと言う、経済社会で一番「脂ののっている」時期に読むからこそ役に立つ本だなあと。 米倉先生ほか、インタビュアーからの本書を出版する事に対する熱意が感じられる良書です。