激動の11月・12月をゆっくり癒しなさいと天の声が聞こえるような今年のクリスマス。
昨年は平日をわき目も振らずに鎌倉へ向かったことを考えると、今年は週末にこの日を向かえられたことに感謝なのです! 「特別な日」って、それだけで気分を高めるモチベーションになるから不思議だなあと思いつつ、お店へ。
いつものお店が迎えてくれます。でも、何かちょっと違う雰囲気。
お店とお客の対話、とでも言いますか。 勿論主役は僕らお客なんでしょうが、料理を通じたコミュニケーションを楽しみにしている「空気感」みたいなものの存在を感じるわけです。
今年のメニューを見て、「ほほお州ごとの料理で攻めてきましたか」と期待を高めつつ目をテーブルの隅に移すと、ベージュの紙がくるんと丸めてグラスへ入っていました。何?と思いつつ開けば、今年のメニューを幕開けるイタリアの地図と、登場する料理のベースになっている州の説明が。 凝っている。。シェフの力の気合がひしひしと伝わってきます。このプレゼンテーションは、いつものビッライオじゃないね。そう、まさにリストランテ。
一皿目「Piemonteの恵み」。
いろいろ野菜の地層ズッパ バーニャカウダ。地層と言うか、クリスマスをモチーフにした色使いが「手間かかってる!」。 ビーツが入っているので果たして味は?と懸念されましたが、むしろスプマンテを進める良い苦味。うまい。大地の恵みだ。
二皿目のantipasto。「Siciliaの贅沢」。
パーネシチリアーノに乗った岬の中トロとナス・パプリカのミルフィーユ 生姜の雪。ビッライオのお皿でいつもすごいと思うのは、ボリュームもさることながら、その色配。赤・白・緑の使い方がうまいですね。。というか技術だな、という表現はホメ過ぎでしょうか。
プレゼンを読んでいて思ったのですが、シチリアっていろんな国の影響を受けているからか本土とは一味異なる料理があって面白いです。 と、ここらでワインを頼んで満足マンゾク。
クリスマスディナーを堪能するお客さんの笑い声は、予約のみという事もあって一席一席の盛り上がりを示しながらも、供されるメニューに沿いながらテンポのよいアップビートのよう。
Regain夫婦も次のお皿に向けて期待感を高めながらこの1年を振り返り談笑など。 勝手知ったるお店の落ち着いた雰囲気が程よくリラックス気分を高めると同時に、手の込んだ料理がイベント感を盛り上げてくれます。
さあ3皿目「Venetoの水辺」。フランス産フォアグラのソテーと鴨のスモーク 自家製ブリオッシュ。 温菜というか、もうこれがひとつのメインのような存在感。 間違い、ないでしょう!
そしてPrimo Piatto4皿目。「Campaniaの海」ティレニア海煮込みのパッケリ。パッケリって何?と初体験でしたが、この大きなパスタと鯛・鰯や甲殻類の程よい苦味+トマトの組み合わせは旨いですね。。地味深いです。(と、ここでも気がつきましたが赤・白・緑の組み合わせ!)
そしてちょっと小休止な感じでPrimoPiatto「Emilia Romagnaの宝物」。
パルマ産生ハムでとったスープに浮かべたリコッタチーズのトルテッリは黒トリュフが良いアクセントになっていて、次のお皿への良い導線だなーと思われます。
さあメイン! SecondoPiatto「Toscanaのけもの道」は長崎県産、猪肩ロースのグリル キャンティーソースですが。。正直、猪が出てくるとメニューを読んで若干驚いたのですが、一皿一皿が「立っている」ので、これくらい味の強さを出さないと前菜負けしちゃうのかなーと。 Regainは猪と言えばイノシシ鍋しか記憶がなかったのですが、その時のこってりギットリな味わいとは全く違う世界。 確かに焼いた表面はイノシシ感があるのですが、レア部分は臭みなし。
最後は、Dolche「Italiaのクリスマス」。ベリームースのパネットーネ マスカルポーネと葡萄のシガレット、、なのですが、、、パネットーネは言うまでもなく、なんとこのシガレットが絶品でございました!自家製ジェラートに絡ませていただくと最高でした。(もう1本ほしかった。。)
いやあ堪能させていただきました。正直、これを出してしまうと来年のネタが無くなるのでは?的なフルコースを味わってしまった気がします(笑)。 ありがとう!また来年ですね!