そうだ、Techshop行こう
Makersの動きって本場ではどうなんだろう?という思いが前回のエントリを書いてからもブスブスと火種のように残り続けていました。 他方、ネットで得られる情報は非常に限定的で、実際にどんなオペレーションがされているのやら、雰囲気は伝わってくるのですがいまいち明確ではないところが歯がゆいくらい。
こりゃあ百聞は一見に如かずだ。そうだ。
、、と、いうことで行ってきちゃいましたーアメリカへ!
1週間ほどお休みをもらい、貯まったマイルで自腹の旅をしてまいりました。
訪問先は、事業として成立している(であろう)メイカーズのリアルな活動基盤とも言える、Techshop。ここを見てくれば、現在の潮流が把握できるとともに日本での今後の姿をより具体的にイメージできるんじゃないかと考えたわけです。 今回はSanJose, Menlo Park, San Franciscoの3店舗を見て回ってきました。
1.Techshopの現状(概略)
Techshopの生い立ちは渡辺千賀さんのこちらで説明されていますので、訪問して判った最新情報に限定して書かせていただくと;
- 店舗数は拡大しており、TexasにLaunch済み。2013年春にはPittsuburgh、年内にNYやWashington、Chandlerへと順次展開が加速する予定。
- Regainの周辺のウワサでは台湾や日本への展開が本格的に検討されており、ロケーションやFeasibility Studyが進んでいる。(らしい)
- 組織構成としては、店舗運営スタッフとコーポレートで分かれており、コーポレートに属するマネジメント・スタッフはオフィスを持っていない。(代表メールのコンタクト先しかないのでオフィシャルなアプローチを取ろうとしてかなり苦労しました)
- 会員数は1店舗あたり約800名。ダウンタウンにあるTechshop San Franciscoは1,000名の規模を誇る。
- 会員の属性はいわゆる自営業者・学生・サラリーマン(エンジニア)・主婦が多い。
- 会員の創作物の知的財産権を保護するため写真撮影は限定的。
- 店舗にも依るが、基本的に従業員はフルタイムで1店舗あたり5名程度。
- 材料は会員による持ち込みと、提携サプライヤーからの調達。電気部品等は基本会員価格に織り込まれていて、会員は無償で使える。
- 廃棄物は、各店舗が独自に提携している業者によりWeeklyまたはBiweeklyで回収。
- ご近所とのおつきあいは結構センシティブらしい。(San Franciscoでは、「それなりにノイズが出るから近隣の会社なんかに一応事前了承は取ったけど、やっぱ気を遣うね。だから、レストランとかショップとかの店主から『これこうしてくれないか?』みたいな依頼を受けたら断らないことにしてるんだよ」とスタッフが言ってました。)
- 3D CADはAutodeskでどの店舗も同じだが、マシンは各店舗により異なる。
- 作業スペースはベンチャー企業にも一定のスペース貸出を行いインキュベーター的な意味合いも担っている。投資家も足を運びに来る。
。。でした。
2.会員費用
ざくっと以下の通り。いい値段です!
(ご参考:アメリカのGOLD GYM:NYの会員費用)
3.ここまでのまとめ
Techshopは西海岸から全米へと展開を加速している局面にあると言えます。
また、会員費用がそれなりに高いにもかかわらず、店舗当たりの会員数が相当なレベルであること(実際に作業する会員はそのうちの2割とか。それでもすごいですが)、実際にTechshop発の成功事例(資金調達・公開という意味で)が現在も継続して出ていることを考慮すると、今後もアメリカ本土でその存在感を増すことは間違いなさそうです。
ただし、日本で最近取り上げられているような勢いで3Dプリンターやレーザーカッターがフル稼働しているか、というとそうでもなく。クラフトや旋盤、自動車修理など、Techshopは最新設備を売りにしつつも、既存のDIYに+αを加えた形で事業としての独自性を持っていることは改めて実感できました。 このあたりは、写真つきの次回エントリをこうご期待ー!
(おまけ: ↓ は、TechshopのReceptionに置いてあるFlyer card。Membership includesにある、 delicious popcorn & Coffeeには笑います)