レビュープラスさんより献本いただき読了。
話術は、技術
本書は、ベストセラー本『企画は、ひと言。』で有名な石田章洋さんの最新刊。
ともすると、この手の(というと石田さんには大変失礼ですが)「XXする(されない)技術」だったり、「企画ネタ洗練術」だったりは、「おお!読んだらすぐにできそうだ!」というものが多い一方で継続しないものがRegainの読む限り、殆どだったような気がします。
一方で、石田さんの著作に共通するのは、「要領よく」ではなく、「試行錯誤しながら身につけた」というご自身のエッセンス的なスキル術という点にあると言えます。
話の上手い人は、口から生まれた訳じゃない。
整理が上手な人は、最初から空間感覚に秀でていた訳じゃない。
その人たちの環境に対する適応度合いで身につけた、「サバイバルする為の技術」なんだということ、本書を読むと改めて気づかされます。
書評的には
章立ての構成が、お見事です。
- 第1章=「スルーされる人」「スルーされない人」の対比
- 第2章=「スルーされない人」の「つかみ」のルール
- 第3章=つかんだ後に「離さない」ためのテク
- 第4章=次につなげる締めくくり
- 第5章=共感・謝罪など、ストーリーメイクする為の事例*1
そして、各章立てごとに書かれている内容が、平易で読みやすいというか、日常語で頭に入りやすい。Regainは最近老眼が進んで、読書をする際にはかなり集中したり、そもそも本を厳選しながら読んでいるのですが、本書は上記のように「作品としての構成」から「内容のすみずみ」までじっくり読むもよし、まずはエッセンス部分だけ押さえるもよし。その逆もあり。
よく、顧客訪問に向かう車中でストーリーを考えたり、プレゼンを伴う会議を前日に悶々と作り込む事って多いですが、そういう「ちょっとしたスキマ時間」に思い出しながら目の前の作業を見直したり、頭の中を整理する為のツールとして、手元に置いておくとお役立ちな1冊と言えます。
*1:個人的には、ナナヘソナスの法則は覚えやすかったです。その上でジョゼフ・キャンベルの神話論をその後に持ってきたのは、ご自身の編み出したテクニックと、ナラティブのアーキタイプを重層的に頭にインプットする為の狙いでしょうかね、とちょっと考えちゃいました