さほど新しくない本ですが、改めて読み直す機会あり読了。
営業営業とバカにするなー
友人の会社に新人が入るという事で、「なにか良い本ないか?」と聞かれて、おススメ本としてコレいいんじゃないかと思い、どのあたりをおススメしようかと整理の為に読み直してみた訳です。
ちなみにRegainは 100%営業、それもいわゆるルート営業という時期は約3年程度、それもこの本が出版された2007年よりもずっと前の経験しかないので、「営業のプロ」ではありません。
にも関わらず本書を新人におすすめするのは、次の理由から;
- 職種に関わらず、組織に属する場合には「コミュニケーション」が必須となる
- コミュニケーションは、人と、そして組織体と取る必要がある
- コミュニケーションを取るときには、人だろうが組織だろうが、話のシナリオや全体感(会話の段取り)を常に意識し、自分の目指す着地点に持ってゆく必要がある
- コミュニケーションは会話ではない。技術である。
つまり、これらが凝縮されているのは、「営業」なんだと思ってるんです。
で、本書はダメ営業マンがスーパー営業マンをメンターに、「12の魔法」の実践と気づきを繰り返してゆくというストーリー仕立てになっており再読であってもその構成はお見事とうならせられます。
営業以外で使えるテクニックそして心構え
また、Regainが特に珠玉だと思うのは、メンターである紙谷氏を通じて語られる「会話」についての数々の珠玉の技法です。3つご紹介すると;
大切なことは、会話の中の『間』なんです。相手が質問に対してしっかりイメージする『間』を与えること。沈黙の瞬間です。(中略)
普通は、なにかを考えるとき必ず目線をはずします。(中略)
聞き入ってくださるときは、ジッと私を見つめていますよね。こういうときは、できるだけ相手をじらさず、次のことばへと進みます。そして、なにかを考えようと相手が目線をはずしたときは、ジッと待つのです。
(p.24「魔法その1 沈黙の瞬間」)
実はイエス・バットの『バット』はこちらがいうのではなく、お客さまにいっていただくんです。(中略)
お客様の意見をしっかりお聴きした上で、その後、その意見に対して質問するんです。(中略)
なぜ、そのように考えるのか。
今、お客様がいったことの真意はなんだろうか?
本当のところはどうなんだろうか?
と、いうように、ドンドン肯定しながら質問を繰り返すうちに、お客様が自分自身でイエス・バットを繰り返してくださるんです。
そして、それは押し付けられたバット意見ではなく、自分で導き出した考えであるため、決して不快な思いをせず、勝手にクロージングを自分自身にかけていって下さるんです。
(p.100「魔法その7 イエス・バット話法」)
質問話法は、お客様の本心を導き出す技術です。つまり、確信をついた質問をするわけです。(中略)
コツは、一度白旗を掲げるところにあります。『分かりました、ご検討下さい。(もう売り込みません)だから、本当のところを聞かせてください』という具合に。(中略)
こちらから先に聞いてしまうのです。恐れず笑顔で『本当のところはどうなのでしょうか』と。
(p.114「魔法その8「質問話法」)
会話の中に、意図的に「間」を作って、相手に考える時間を与える。
相手に質問を投げかけて、相手が自ら答えを導き出せるように促す。
相手を肯定しながら、本音を聞き出す。
このような会話のテクニックは、営業という職業だから必須というより、やっぱりコミュニケーションの技術として必須だよなーと改めて思います。
既にお持ちの方も、ぜひ再読してみてください。
結構 新しい気づきがあるかもしれません。