以前にこちらでレビュー記事を書いて依頼の2冊目となる、メンタリストDaigoさんの書籍。あの本以降、「メンタリズム」=「コミュニケーション戦略」なのだと思いを新たにしていたRegainです。
題名はいささかセンセーショナルですが、ビジネスブックマラソンの土井英司さんが、「こんなノウハウ、1400円で出されたら、商売あがったりですよね(笑)」と書かれてる事に読了後気づきましたが、まさにその通りかもしれません。
「人を操る文章術」とは何か?
さて内容はと言いますと、さすがメンタリスト。一気に読了できる構成の見事さやその平易な表現は当然の事ながら、珠玉の内容が満載でした。
何の為に文章を書くのか。それは、人に「伝える」ためではなく「伝え、行動してもらうため」として、まず前書きに記載があります。
文章のたった1つの目的、
それは「今すぐ人を行動させること」
うわーそうだった。正直、やられた・・という感じでした。
日頃、提案書・企画書・社内メールは言うに及ばず、当ブログや他の書きものを通じて文章を大量生産(自分なりに)しているのに、大事な原点を見落としていました。
「了解しました」という一行のメール返信で、相手の次の行動を導けるか?
きれいに纏めたプレゼン資料。MECEではあるが、インパクト不足な理由は何か?
と考えると、身につまされることばっかり。要するに「人を行動させる」為のメッセージが不足しているからこその自己満足に過ぎない「記述」になってしまう訳ですね。うー痛たたたた。
効果を狙って意識的に書こう
前書きの時点で相当考え込んでしまったRegainですが、さらにそこからが内容としては重要な事柄が満載だったのですが、特にこの2点には衝撃を受けました。
■メールは「下」から書く
メールを書く際はまず、相手に何をしてもらいたいのか、どんな行動をとってもらいたいのかを考え、決めておくことです。それを「追伸」にまとめてから書き始める。このルールを知っていると、メールの書き方はガラリと変わります。
人の心を揺さぶるメールを書きたいなら、「下」から書くことです。
つまり、「追伸」の内容を決め、その文面を書いてから全体を考えていく。これが正しい書き方の手順となります。
■話しかけるように書く
ポイントは、自分がこう言ったら、相手はこう反応するだろうなと想像すること。私たちは会話の間中、絶え間なくさまざまなパターンの想像を繰り返しています。
空気を読む日本人らしく、「こう言ったら、こう返ってくるかも……」とシミュレーションをしながら話すので、相手の答えや反応についての印象も強く残るのです。
自分の投げかけた質問に対して、相手がどう答えるかを想像しながら、書く。
つまり、読み手の疑問や反応を取り込んで書くこと。
これが「話しかけるように書く」のコツとなります。
相手に丁寧に、失礼の無いように、と意識をそこに集中して文章を書くのでなく、「伝え、動いてもらえるように」文章を、書く。形式よりも結果を意識して。この点が、上記の2つには凝縮されているような気がしました。
基本アプローチも実践力たっぷり
また、「心を動かす文章に共通する3つの原則」や、悩みの9割が集約するとされる「HARM」(ハーム)の法則、そしてポジティブな話でネガティブな話をサンドイッチする方法など、非常に興味深い原則的なアプローチが丁寧に書かれています。
●心を動かす文章に共通する3つの原則
1.あれもこれもと書き過ぎないこと
2.きれいな文章を書こうとしないこと
3.自分が書きたいことを書かない
●悩みの9割は「HARM」(ハーム)の四文字に集約される
Health 健康、美容
Ambition 夢、将来、キャリア
Relation 人間関係、結婚、恋人、会社
Money お金
これらは、メルマガやコラム執筆など、定期的に文章を読者に届ける時には壁にでも貼っておきたくなる大原則だと感じます。
さいごに
題名がとかく扇動的ですが、生産性のある、経済力のある、そして「心を動かす」ための文章とは何か。はてなブログでも「○○のためのxxのことまとめ」系エントリは多いですが、あえてそっち方向ではなく、「文章内容で相手に行動してもらう」ことを考える際にはこの本は手に取って間違いない一冊だと言えます。
ぜひご一読を!