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静かな満足感と、教えを請うことの重要さ - 和田さんの『ぼくつま20』を読んで

和田さんからご献本いただきました

ぼくは和田一郎さんの、静かなるファンである。
 
和田さんと言えば、表現の誤解をおそれずに言えば、「市井の起業家・ブロガー」ということになるだろうか。ご自身の「ICHIROYAのブログ」で描かれている、通勤時間にちょっと心を和ませてくれる人生にまつわる話だったり、ご自身のビジネスを取り巻く悲喜こもごものトピックだったりと、なんというか非常に「ありさまの伝え方」がいつも印象に残るのだ。
よくあるキュレーションサイトの「XXにまつわる◯◯のこと」とか、目を通せば通すほど時間を浪費した感覚を持たされる粗製乱造テキストとは対極にあると言っても過言ではないと思う。
 
うん、丁寧で、率直、なのだ。
 
なおかつ、ぼく自身も和田さんと同じように一時期はEbayや海外サイトを中心にしたビジネスを作り、回してきた経験を持つだけに、ブログ上で書かれるその辺りの小ネタには非常に共感するところが多かったりもするので、「ビジネスの先輩」的な尊敬のまなざしが多少含まれてもいたりする。
 
そんな和田さんが、前著『僕が18年勤めた会社を辞めた時、後悔した12のこと』に続き2冊目のご出版をされるというエントリを拝見して、読みたいなあと思っていた矢先!
ブログ等でご紹介いただける方に、献本させていただきたいと思いますので、ご興味ある方はメールやTwitter,FBでご連絡ください。

・・ということで、速攻で(恥知らずだけど)以前繋がらせていただいていたFacebookで連絡を取らせていただいたところ、早速お送りを頂いてしまった。

 
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しかも、ご丁寧にメッセージを添えていただいた。
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で、早速読み始めたのが昨晩のこと。昨晩中に一気に読了。
 

やはり、非常に丁寧だ

ぼくもそれなりに起業本は玉石混交、いろいろと読んできたつもりだけど、肩肘を張ったところが一切感じられない読了感。
読み終えた後に、著者への親近感を覚えてしずかに満足する、みたいな感覚を覚える。
 
内容的に言うと、早期退職金をもらって後先引けずに起業の道を歩まずにはいられなかった状況から、当初の想定には全くなかったビジネス領域を必死に模索し、そして「生活圏内」で大向こうを張らずに立ち位置と「並の生活」を必死に確立してゆくさまを記したものである。
そして、そういう様子を描いた書籍はこれまでなら、あまり書店では人の目にも止まらず、ひっそりと書店から消えてゆく運命にあったのかもしれないと思う。もしくは、中小企業診断士やコンサルが書く「起業のためのこころがけ」的な本の、事例集に5行程度紹介されるにとどまるような、「華の少ない」「マーケティング的に見て訴求力に欠ける」内容として扱われてしまうことが多いのではと思う。
 

「自分の居場所」を作る本

だからこそ、和田さんの本には意味がある。
ぼくは和田さんのこの本は、売らんとする本ではなく、「愛され続けてゆく」本ではないかと強く思うのだ。
自分と家族の居場所をつくりたい、自分に嘘をつかない方法で、自分が信じるやり方で、得意なやり方でビジネスを始めてそれを達成したい、そう思っている人には、いくらかは参考になるはずである。
(第1章:起業にも二つの道がある)
ブログを通じて自己表現を行ってきた和田さんだからこそ、「本当に書きたかった自分のこと」が凝縮されている。もちろん編集の過程で色々と修正は入ったのだろうけど、「伝えたいことに、ご本人がまっすぐ向き合っている」内容となっている。
 
また、その内容がコンテクストとして「ブログ+書籍」という複合的なアプローチで著者像を浮かび上がらせる構成になっている点では、ジャンルは異なるけれど、さとなおさんの書籍と非常によく似ているような気がしている。
 

教えを請おう

会社に属していれば、いろんなルールがあり、その中で順応している限り、だんだん教えを乞うことは少なくなり、むしろ教える側にまわってゆくことの方が多くなる。その意味で、起業して一番必要なのは、和田さんがつまびらかにしてくれている「どれだけ人に聞けるか」「そのために行動できるか」「自分でやろうとしているか」なのではないかと思う。
会社を辞めてから僕はしみじみと思うのだが、必要な人を見つけ必要なことについて教えを請うということは、一番大切なことではないだろうか。
(第7章:エスニック・ショップしかない)
死ぬほど働いてみせる覚悟はあるのに、何をすればいいのか、それがわからないのだ。
(第9章:また振り出しに戻る)

ぼくは和田さんは、ネットリテラシーが高い時代の、オヤジ起業のあたらしいロールモデルであり、この本は、起業に憧れるサラリーマンが、会社を辞める前に読むべき本だと考えているのだけれど、本書を通して最も印象に残るのは、和田さんが必死に「人に教えを請うている」「そのために行動している」「自分でやっている」姿なのだ。

そして、だからこそ、ぼくはきっと和田さんのブログをまた明日も楽しみにしながら1日を頑張るのだろう。
 
和田さん、ありがとうございました。
いつかお会いさせてください!

 

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