日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス)
posted with amazlet at 09.09.29
湯之上 隆
光文社
売り上げランキング: 5015
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日本の製造業におけるガダルカナル激戦紀 はじめて日本半導体業界の実情を正確に分析した本
うーん。光文社のペーパーバックはどうしても「内容が薄い」ような第一印象を受けてしまうのですが、この本はそんな「バカの壁」を崩し去ってくれました。 16年間「産業のコメ」と言われた半導体業界の第一線でご活躍された経験を軸にした洞察と分析で、凋落した現状が小気味よくモジュール的にメッタ切りされる部分もさることながら(著者の湯之上さんからすれば当たり前の現状だ、との事ですが)、半導体に留まらない日本の産業復活に向けた製品プラットフォーム戦略が明快に示されていたりと興味深いです。
「ガラパゴス化」しちゃってる日本を出て、「何が一番求められているのか?」の確認のために世界一周フィールドワークを経た湯之上さんによる、各地域の実態が、プロダクトマーケティングの視点でも大変フレッシュです。
コモディティ化は止まらない。 開発技術の先鋭化とは別に、いかに市場を見極めるかを改めて考えさせられる一冊でした。 冒頭は同業者には共感できる所多し。が、ちょっと専門的か?と思うものの、こちらも湯之上さんの研究成果の真骨頂です。 素晴らしい1冊だと思います。