業務に直接関係はないのですが、珍しくこんな本を読んでおります。
Post M&Aって一般的には聞きなれない用語ですが、要するに「M&Aを上手くやるにはどうするか」を売買以外の観点でとらえなおした際に必ず必要になる考え方の一つ。 一度でも実務担当者として関わると、その重要さが痛いほど判るのですが、結局上手くいくM&Aというのはゴールをどこに置くか、どう準備してゆくか、なのです。
円高、他国の台頭による日本の相対的な産業地位の低下、震災に伴うオフィス機能の分散化、資本逃避、などなどを背景に、これからの企業にとって成功・成長のイメージを描く際にはインダストリーに関係なくM&A(特にクロスボーダー)は必須要素になってくる事はもう目に見えてますが、ケーススタディも豊富に盛り込まれた本書は、単なるM&A教則本ではなく、M&Aを実施しない場合においても足元を強化する意味で読んでおいて損はない一冊だと思います。
ベンチャー企業を経営する友人から、「成長曲線を維持しながら買収を効率的に進めるにはどうしたらいい?」と質問を受けてアドバイザリー的なお手伝いをする事もたまーにあるのですが、自分の少ないM&A経験を踏まえて指摘させてもらった「もろもろ」を含め、「あの時、ああしておけばよかった」が一冊の本になった、まさに「実践シナリオ」(勿論、体系化&洗練度は本書の方がBetterなのは言うまでもありません)、そんな印象を強く持ちました。
松江 英夫
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 41999