以下、東洋経済オンライン記事より。
こうやって、不良資産の処理を日本が行うことは、長期的にはメリットでしょうが、収穫ステージに入る前に中国・アラブの資本ルートが常に目を光らせている事を忘れるべきではないでしょう。
日本の不良債権だって、10年かかりました。
その間に日本の銀行が資産縮小、海外活路を見出さざるを得かった「個々の自助努力」が必須なのは事実ですが、債権処理は政府の公的資金&政策による誘導がなければ進みません。どう乗り切ってゆくのか。
三菱UFJフィナンシャル・グループが米投資銀行のモルガン・スタンレーに10%~20%の持株比率で出資を行うことで合意したと発表した。取締役も派遣 する。出資は普通株での増資に応じる形で行い、5000億円以上、最大9000億円になる見通し。この数字は8月末の株価を基にしたものとのこと。モルガ ン・スタンレーの現在の時価総額300億ドルからすれば、20%は6000億円強だが、今後の株価の上昇もありうるため、それを織り込み、数字を提示して いる模様だ。
投資銀行の証券化ビジネスモデルや、負債比率の高いレバレッジで投資収益を膨らます手法は、市場崩壊に見舞われているが、三菱UFJはモルガン・スタンレーの各国政府や世界の大企業、投資化の顧客基盤や、各種の証券引き受け、売買、運用業務、財務やM&A、資産運用のアドバイス能力などに価値があると判断し、このようなビッグネームとの提携は二度とない投資チャンスと判断したようだ。
モルガン・スタンレー側としてみれば、提携相手としてみた場合に、米国の商業銀行では、既にベアー・スターンズを飲み込んだJPモルガン・チェース、メリ ルリンチを飲み込んだバンク・オブ・アメリカのほか、財務が悪化しているシティバンクしか大手クラスの銀行は残っていなかった。次のサイズのワコビアとの 統合交渉も行っていたものの、ワコビアは地銀クラスであり、また、サブプライムで無傷ではない。三菱UFJのほうが地域的にも広がりがあり、財務面でも余 裕があるとの判断が働いただろう。ちなみに、三菱UFJにとっては巨額投資ではあるが、自己資本比率は1%ポイント程度しか低下しない見通しという。
もう一度、われわれ一般人は 日本の不良債権処理をじっくりレビューしてみるべきかと。
21世紀政策研究所が、1998年当時に興味深い提言「日本経済再生のための処方箋」を行っています。
われわれの「失われた10年」から、一個人として何を学ぶべきなのでしょうか。
10年後は2020年。
古いですが、"Wall Street"という映画があります。「おれも投資銀行かPEか!」、と燃えていた8年前に見て、深ーーーく考えさせられた一作です。
マイケル・ダグラス扮するバンカーの"Greed is good" というセリフには今見ても考えさせられるものがあります。
<キャスト&スタッフ>
ゴードン・ゲッコー…マイケル・ダグラス
バド・フォックス…チャーリー・シーン
ダリアン・ディラー…ダリル・ハンナ
監督:オリバー・ストーン
製作:エドワード・R・ブレスマン
脚本:スタンリー・ワイザー/オリバー・ストーン