北海道からのフライトで読んでいた1冊が 「Think!」No.37 SPRING 2011 です。 実はカバンに入れっぱなしで台湾へ行ってしまいずっと読んでいなかった一冊でもあるのですが、今回のIVSを振り返ってふと読んでみようかな、と思い広げる事にしました。
テーマは”グローバル時代の仕事術」。
DeNAの 南場さんによる巻頭インタビュー。
グローバル化時代に世界に挑むために必要な力として ”良質な非常識=アントレプレナーシップ”を挙げられています。
個人ベースにおいては、
① 今の常識に対する謙虚な理解 ② 常識を疑う目 ③代替案の考察と検証
を、「表層的でなく、深みを持って」理解する事が求められるとしています。 他方、グローバル環境での日本企業の強みとしては「日本人は、チームのために全力でコミットする『腹のくくり』がいい。」と指摘。 ローカルでもグローバルでも、これらは常に求められるものであるけれども、「自分はどうか?」とレビューしながら日々の仕事に向かう事には大きな意味があるんじゃないか、そうした積み重ねが日本企業を強くしてゆくんじゃないか、と思わせられます。
他方で。
元マイクロソフト日本法人代表取締役社長の成毛さんの『グローバル時代に英語力より必要な情報力』 もなかなか興味深く。 南場さんと共通するニュアンスを持ちながら指摘されているのは、英語力よりもむしろ重要な3点。
① 情報力、② 簿記3級程度の知識、③ そして日本力(日本文化)。
特に、情報力についての記載は興味深い。曰く;
『ありとあらゆることを、できるだけ早く、全部やること。これに尽きる。私自身、FacebookやTwitter、LinkedInに至るまで、全部やっている。端末も、iPhone、iPad、アンドロイド系まですべて入手している。ここまでしないと、10年後にはどんな仕事もやっていけなくなるだろう。なぜなら10年後、小学生のときからFacebookやiPadに触れてきた者が社会に出てきたときに、情報力で彼らに太刀打ちできないからだ。』
。。としつつも、
『とにかく、がんばらないこと。(中略) 本当にがんばるべきは本業のほうだ。情報は流しっぱなし。簿記3級の勉強は1カ月でパッと終わらせる。日本力も築地で一杯飲むだけでよい。』
というように、「自然体で、但し目標設定は鋭く明確に」という事を書かれています。 もがきながら似たようなスキルや経験を身につけてきたRegainからしてみれば、要領よく身に付けられるにこした事はないよなあ、とも思う一方で、シンプルだからこそ到達する事の難しさ、みたいなものを書かれているような気もしたりして。
他にも、コマツ 坂根さん「大局観⇒本質を考え抜く」、ATカーニーの梅澤さん「戦略シナリオ・プランニング」、BCGの森さん「異質対応力」、SFCの高橋先生「ソフトスキルの高いリーダーシップ」等々。どれも全て興味深く。
こういう書籍に目を通すと、自分の今のあり方を問うと同時に、先に向かって何をすべきか、成し遂げるべきか、という視座を一気に広げられるような気がするから不思議です。 やっぱりスキル重視の教育で育ってきたせいかしら。どうしても、「xxに求められる●●」みたいな書き方をされると、アンテナが張ってしまうんだよねえ。
思想・思考の広がりと深み。
スマートに泥臭く。
その意味で一番腑に落ちたのは、スキルセットの周辺に関するコラムではなく、シアトルマリナーズのトレーナー、森本貴義さんの「シアトルマリナーズで学んだ海外で活躍できるアスリートの条件」でした。
被雇用者としての立場で、米国社会でどう貢献と成果を残し続けるか、その為には何をし続けるべきか、についての文章が非常に重みを持って書かれています。あえて文章を引用する事はしませんが、これこそが必読なのでは、とも思ったりして。
お会いしてみたいなあ。