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コンサルスキル 「仮説検証」(1/2)

仮説検証は、効率的に解に辿り着くための思考技術である


コンサルティングに携わる上で、仮説立案は必須スキルの最たる一つです。では仮説立案とは何でしょうか。簡単に言えば、自分が持っている予備知識、もしくは与えられた情報から、自分で仮の答えを出すことです。難しい課題に対して、誰も答えは持っていません。クライアントも解を持っていないからこそ、我々コンサルタントに依頼をしてきます。勇気をもって、且つ論理的に自分で答えを決めることを求められます。

仮説検証アプローチとは、冒頭で述べたように、最低限の知識をもとに “あたり” をつけてから調べ、本当かどうかを確認することです。“あたり”をつけるステップが仮説立案、検証するステップが仮説検証です。必ずしも唯一の解が存在しないコンサルティングサービスにおいて、仮説検証アプローチは、最も効率的(工数・期間・予算)に“要件を満たす解”に辿り着くことができます。我々コンサルタントのミッションは「短期間でベストな答えを出すこと」。だからこそ、仮説立案アプローチは、コンサルティングに必須の方法論なのです。

仮説立案アプローチの対極として、ローラー作戦アプローチがあります。残念ながら、コンサルと言えども、このアプローチに陥っている方が非常に多いです。例えば、「営業利益率3%向上を目指した業務改善」というお題がある場合、ローラー作戦アプローチに陥っている方は、闇雲に財務分析やベンチーマークに突入します。そしてアサイン翌日に声をかけると、「まだ何が原因か分かりません。分析が終わっていなくて」というような反応が返ってきます。つまり、自分なりの “答え”がない状態です。しかもこのような癖がついていると、1週間たっても1ヶ月たっても、「分析範囲が広がってしまい、まだ明確な答えが出せなくて」という反応が往々にして返ってきます。

一方、仮説検証アプローチでは、次のような検討経路を辿ります。はじめにビジネスモデル、又は財務諸表などを見て、「在庫管理と営業拠点配置に問題がある可能性が高い」などと“あたり”をつけます。そして、物流と営業関連部署から優先的にヒアリング&データ収集に着手し、課題解消による営業利益改善率を試算します。試算の結果3%まで足りない場合に、「まだインパクトが足りない。次に気になる人的資源配置も見てみよう」と考えます。結果として、それら3つの課題を解決することで、恐らく年間○○円の費用削減が達成されるであろうという仮説が再立案されます。

日々のコンサルティングワークにおいては、プロジェクトが始まる提案段階で、このレベルまで到達できている必要があります。そして、プロジェクト開始後の数週間で、仮説立案が正しいのかどうか検証していきます。ですから、仮説立案はクライアントに提案する初期段階、時間にすると1~2日、長くても3日で辿り着いている必要があります。それが高いフィーを頂いている我々コンサルタントの価値になります。