お盆です。いろいろ振り返る時期でもあります。
photo by torne (where's my lens cap?)
当ブログでも複数回取り上げさせて頂いているのですが、ここ数年の「鎌倉」という場所への外部・内部的な変化が著しい気がしていてちょっと振り返りつつまとめてみようと思い立ちました。
以下、全てRegainの「体感的な」鎌倉ヒストリーなんですが:
注目度と、住民の行動力の変容
Regainが移ってきた7年前と言えば、「静かで都心に近い、自然に恵まれた、ちょっとシャレオツな歴史的景勝地・観光地」というイメージが強かったように思います。
そこから、なんと言うか日本経済の全体的な継続的な低迷を受けて、地域観光(というか都心からちょっと遊びにいける「掘り出し物」的)の穴場スポットとして、各種雑誌の取り上げる頻度が増えるようになり、OzやHanakoなどの季節特集として定常的になってきたのがこの4年前。
このころ、本田直之さんに代表されるデュアルワークスタイルとか、ノマドに代表されるような「場所に限定されない働き方」が注目されるようになってきてました。
ノマドライフ 好きな場所に住んで自由に働くために、やっておくべきこと
- 作者: 本田直之
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その流れと平行するような形で、鎌倉投信やKAYACなどに代表さるような、「金融」「IT」「ベンチャー」という、比較的「鎌倉ちっくではない」けれど、だからこそ「鎌倉を選ぶひとたち」が注目を浴びるようになり。「景勝地・観光地」という属性と、「イノベーションの起こりそうな要素がある場所」という二つが混在し始めたのが3年くらい前くらいでしょうか。
ただし、鎌倉には高齢者層が税収源、であるが故の行政的な「変革に対する腰の重さ」がずっと政策的な課題として存在する中で、先に述べた「混在要素」が「融合」することが非常に難しかったのが、ついぞ2年前位までの状況だったように思います。
※ この時期、お隣の藤沢市は産業振興や観光資源の活用に積極的に資金を投下していたのに対し、鎌倉では「世界遺産登録」という悲願の大テーマがあったが故に活動範囲がいろんな意味で限られた、という点も無視できないと思いますが。
「鎌倉らしい」地域課題の自主解決
その「融合の難しさ」が、変わってきたのが(おおざっぱに言うと)ここ最近。
象徴的なのは、「鎌人いち場」の誕生や「大線香花火大会」の開催でしょうか。
いわゆる「クリエイティブ職」とか、メイカーズのくくりでよく登場する「Geek」「Tinkerer」「DIYer」が潜在的に多いこの場所で、ソーシャルメディアを通じて課題共有が比較的容易に行われるようになり。
更には、地域課題や小規模事業主の資金調達を主体とする課題解決方法としてクラウドファンディングが注目されるようになり、「共有された地域課題を、住民が独自の手法でファイナンスして自己完結的に・各々の専門的手法を持ち寄りながら解決(提案・実行)」するようになってきたのが昨年末から今年かしら、という時間の流れを感じています。
非常に極私的に振り返ってきている訳ですが、何を言いたいのかというと、この地域モデルってなかなか独特で他に類を見ないような気がしているんです。ここ数日、他の県・市に勤めている友人から、「鎌倉みたいなことやれないかな」という相談?与太話?を受けることが多いので、ちょっとこの独自性は指摘したのですけど。
ともすると、こういう地域変革って、「地域変革」と考えて行政が大上段に進めて成功させるには相当のエネルギー・リソースを費やす必要があるし、かと言って住民主体で行おうとしても連携力や資金力の観点で、すごく「パッとしない」感じで終わってしまうことが多い中、非常にハイレベルなひとつの成功例であると同時に、地域独自性があるからこそ一定の成功しているんだと考えてます(認知度や注目度という観点で)。
住んでいる人たちの「緩やかな連携力」「盛り上げたいと思っている潜在的な層の多さ」「専門的なスキルレベルの高さ」「実行主体の若さ・スピード感」「リーダーシップの存在」などが、ソフト面での成功要因であり、ハード面で言えば地域ブランド力を備える「場所」であり、「首都圏への近接度合い」「良い意味で)行政の遅さ=適度な放置ぐあい」を備えた都市って、なかなか横展開しにくいだろうなーと思ってます。
HAPPY from KAMAKURA, JAPAN - YouTube
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