訪問先の企業の計らいで、VIP待遇(!)にて上海万博半日コースをめぐる事が出来ました。
中国・台湾館の中にしか入れませんでしたが、貴重な経験でした。。。
<下の方に、写真コレクションあります>
先週の国慶節を経て、累計6000万人入場者を突破した上海万博。過去の最多記録は、1970年の大阪万博と言われていますが、記録を塗り替えるのは間違いないでしょう。 すげー。
上海万博は約3000億元の直接投資額の4~5倍となる1.2~1.5兆元(約16.8~21兆円)規模の経済効果があるとも指摘されています。 また、万博終了後には、中国館を含む3分の1の会場は永久保存される一方で、3分の2の会場のパビリオンは撤去され、コンベンションセンターや商業施設などとして2次開発される予定で、これに伴う投資や周辺地域経済の活性化も当然期待されています。
万博会場や上海周辺をめぐって痛感させられたのは、13億人という絶対数に代表される人の多さ、恐ろしいまでの活気(日本人は穏やか過ぎる)、変化のスピードでした。
約2年ぶりに上海を訪れたのですが、少なくともインフラの表面上は、この都市がODA援助を受けていた国には全く見えませんし、広大な土地・人員と、「世界の工場」で作られた先進技術を活用した都市のプラットフォームはアメリカを超えてさえいるのでは?と感じられます。
当然、ハード先行なので教育などソフト面の充実がこれからのキャッチアップになります。
が、既にアメリカへ渡ってシリコンバレーやマンハッタン・ロンドンで活躍していた優秀な人材が、自分の意思で或いは所属する会社の意向でどんどんと上海・北京・深センなどの主要都市に集まってきている点を考えると、これまで華僑ネットワークで世界各地に事業展開していたビジネス戦略に加えて、中国が自分自身の強み・弱みを熟知した上で本当にしたたかな行動をとっている点が、すごく実感として感じられました。
正直、国家レベルの話をすれば、日本は魅力という意味で負けてゆくんだろうか、寂しさにも似た印象は拭えませんでした。 「使う」のではなく、どうやって中国とタイアップしながら、日本の競争戦略を描けるんでしょうかねえ。
投資・製造・販売、全てにおいて一定のレベルでプラットフォームを持っている中国の企業とは、税制面での優遇なんかがない限り拮抗しにくくなる点ははっきりと自分の感覚でも判りました。 こりゃ、日本にいる意味がどんどんなくなる。。
が、日本企業だからできることの強みを、積極的にアピールできる環境も多い。 先日のエントリで書きましたが、「ビジョン」をどこに据えるかで、これからの日本は大きく変わってゆくだろうなー。