今回の中国出張で読了。 何と言うか、「商社」つながりで身近に感じられるところもあり、なおかつ今年のRegainのテーマは「中国語」でもあったので思わず空港で購入しちゃいました。
文庫のオビには「恐るべし、中国!」やら「野菜切ったら農薬で手が真っ赤!」などキャッチーナ見出しがドーンとあるので、ちょっと引き気味に手を伸ばしたものの、その内容の濃さに驚かされて一気にページをめくる自分がそこに。
08年に文庫化された内容ですが、今なお内容は色あせる事がありません。 著者の谷崎光さんは商社の営業をなさる一方で『てなもんや中国商社』を書き、OLから文筆家としてデビュー。 以後この「てなもんや」シリーズで不動の地位を確立され、等身大で切れ味の鋭い日本ー中国社会文化論(っていう表現でいいのかな)を展開なさっておられます。
英語とは似て非なる「中国語」の学習プロセスを学ぶ意味でも有用ですし、普段 我々がおそらく感じ取ることのできない「反日感情」「中国人の金銭感覚」が何かを把握するという意味でも、テレビなどでは体験することのできない「生の経験」がここにはあります。 あとがきにあるように、「矛盾に満ちたこの国と少しずつ見えてくる中国の本質にも翻弄」されながら纏め上げるプロセスは並大抵ではなかっただろうなー、とも思わせられる一冊。
本によっては書きづらいこともあるだろうけれど、本書ではかなり本音レベルで書いている(それでもまだ書けないこともあるだろうけれど)ように思えます。現在はブログが面白いのでこちらもちょくちょく覗かせて頂く事にしようっと。