今回の出張では少し時間があったので、上海から一時間ほど足を伸ばしたところにある「東洋のヴェニス」、蘇州で観光などをすることに。
日本では先日平泉が世界遺産の登録勧告を受けたばかりですが、ここ蘇州にある「拙政園」は中国四大名園の一つ。 造園芸術の傑作と言われていて、97年に蘇州古典園林の中核として世界遺産登録がなされました。
広さは約5万平方メートル。ひろいっ! この敷地の半分以上を池や堀が占めるのですが その内の7割が池や堀でしめられ、水をテーマに造られています。 水運の豊かな蘇州ならではの庭園と言えるでしょう。
名前の由来は、高官が賄賂で造ったという噂があり、そのことを詩人が詠み、詩の中の一説から皮肉を込めて『拙政園』と呼ばれるようになったといわれています。
『拙者之為政』 《拙き者が政治を行う》
いつの世も、、ですかねえ。
こうした世界遺産を持つ観光の名所としての地位をもつ一方で、ここはシンガポールの政府による協力で作り上げた(現在も進行中ですが)蘇州工業園区などの投資区域ではヨーロッパ・韓国・日本の半導体・繊維・電子・機械産業の誘致を積極的に受け入れていて将来も有望な発展地域でもあったりします。
ゆっくりと流れる時間、それを醸成する空間が園内には存在する一方で、 園外に出れば未来へと突き進む「先進」の世界がそこには広がります。
守るべきもの、進めるべきもの。
こうした史跡に身をゆだねる事で、自分の進めるべき道みたいなものに想いを馳せることができることこそが貴重なものだなあと感じます。 世界遺産とは、そういうものなのではないか、なんてね。