鎌倉ライフリッチ研究所 Ver 3.70 | 人生を、豊かに生きよう。

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コンサルスキル 「チャート化」

 

誤ったチャート選択では伝わらない。伝えたいメッセージに応じて、適切なチャートを選択することが重要
「How To Chart」は、コンサルティング・ベーシックスキルとして位置づけられます。

大きな観点としては「定量」と「定性」の2側面が存在しており、メッセージに対するチャートの表現方法をその2点から学んでゆくことが重要になります。

また、コンサルファームによってその方法が異なっており、チャート化はファームのノウハウの集積とも言えますし、チャートのレベル感がバラバラな内容では、プレゼンテーションの品質を一定に保つことが非常に困難になります。プロジェクトにおける個人個人のコンサルは、作業工程で、各ページの作り込みや推敲・最終化のタイミングで常に念頭におくべきポイントが、今回ご紹介するチャート化の内容になります。

まず、チャートの作成にあたっては、以下の心構えを意識する必要があります。

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定量編

定量データチャートの選び方についてですが、基本的には用途とチャートの特性により、使用するチャートを決定します。定量チャートを用途とグラフの種類で分類すると基本パターンは以下のようになります。伝えたいメッセージに応じて、適切なチャートを選択することが重要です。

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【1】 円グラフ

円グラフとは、丸い図形を扇形に分割し、何らかの構成比率を表したグラフです。単純な内訳を示す場合に利用します。内訳の一番多いものをキーメッセージとする場合が大半であるため、項目値の多い順にソートして利用します。円グラフでは、内訳を表す場合に利用すると前述しましたが、各領域の大小比較が困難である場合は、棒グラフを利用したほうがよいです。(パワーライブラリには、9種類の円グラフが用意されています)

2】縦棒グラフ

棒グラフは、特定の項目が他と比べ、どのくらい差異があるかをひと目でわかるように表現できます。項目数が多い場合には、数値軸を横にした横棒を使います。時系列推移と混合しないように、項目の順位を示す場合は、横棒グラフを推奨するケースもあります。 (パワーライブラリには、13種類の縦棒グラフが用意されています)

3】積み上げグラフ

積み重ね棒グラフは、項目内の各要素が異なる色や模様で表され、それぞれの項目の全体量と、項目内の各要素の比率を把握するのに適したグラフです。グラフの棒の長さを、全項目同じ(100%)にすると、各要素の項目全体に対する割合を把握・検討するのに適したグラフが表現でき、このようなグラフは100%積み上げ棒グラフと呼ばれます。(パワーライブラリには、14種類の積み上げグラフが用意されています)

4】横棒グラフ

横棒グラフは、縦棒グラフと同様に特定の項目が他と比べ、どのくらい差異があるかをひと目でわかるように表現できます。(パワーライブラリには、8種類の横棒グラフが用意されています)

5】折線グラフ

折れ線グラフは、横軸に年月といった時間を、縦軸にデータ量をとり、それぞれのデータを折れ線で結び、データの増減や傾向を見るのに適しています。(パワーライブラリには、6種類の折れ線グラフが用意されています)

6】ヒストグラム

ヒストグラムとは、縦軸に度数、横軸に階級をとった統計グラフの一種で、データの分布状況を視覚的に認識するために主に統計学や数学、画像処理等で用いられます。

7】散布図

散布図とは、2種類の項目を縦軸と横軸にとり、プロット(打点)により作成される図のことです。 2種類の項目の間に相関関係があるかどうかを調べることが可能です。また、散布図に回帰直線を描くことで、予測値を求めることも可能です。(パワーライブラリには、3種類の散布図が用意されています)

以上が基礎編となります。次に、応用編として、基本パターンの組合せについて話します。各チャートの特性から、使用するチャートを決定します。

 

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【1】 ウォーターフォール

ウォーターフォールチャートは、積上棒グラフを分解したチャートです。積上棒グラフでは表しにくいマイナス値を表すことができます。数値変動の要因を説明する場合など、複数の要素の影響を表したい場合に使用します。 (パワーライブラリには、6種類のウォーターフォールチャートが用意されています)

2】パレート図

パレート図は、構成比率の高い順に項目を並べた棒グラフと、その累積比率を表す折れ線グラフを組合せた複合グラフです。重点項目の絞り込みにおいて、項目の順位とその構成比率を同時にメッセージしたい場合に使用します。パレート図を定期的に作成することで、重点対象の絞込み、アクションの実施、効果検証、次の重点対象の絞込みといったサイクルをまわしていくベースにすることができます。

3】レーダーチャート

レーダーチャートは、複数の項目を縦軸にとり、縦軸の原点を1つにまとめて放射線状にした図のことです。ある対象の属性である複数の項目を同時に比較する場合など、複数の項目の大きさを一見して比較したい場合に使用します。パワーライブラリには、2種類のレーダーチャートが用意されています。通常は折れ線を使用することが多いようです。各項目の値に測定値を使用している場合等、値を強調したい場合はドット付の折れ線を使用します。

4】面積図

面積図は、a×bの形の乗算で表される内容を長方形の面積で表す図のことです。数式よりも直感的に理解しやすい形に表したい場合に利用します。

5】対数グラフ

対数グラフは、折れ線図または散布図の軸に対数目盛を用いたグラフです。Y軸のみを対数目盛にしたものを片対数グラフ、X軸とY軸を対数目盛にしたものを両対数グラフと言います。範囲の広いデータを表したい場合に使用します。

6】バブルチャート

バブルチャートは、ある事象を表す円(バブル)を2つの軸を持つ散布図上に配置したチャートを指します。バブルの大きさと2つの軸、合計3つの情報をもってチャート上に載せた事象を評価します。

 

いかがでしょうか。次は、定性編です。

定性編

定性情報を分かりやすく伝えるためには、何を伝えたいか(メッセージ)によって適切にチャートを選ぶことが重要となります。はじめにチャート選択のガイドラインについて話したいと思います。下図は、定性チャートの全体像を俯瞰しています。

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最初に見て頂きたいのは、右側の「チャートタイプ」です。①から⑩まで羅列しています。本講座では、この10種類のチャートを扱います。10個のチャートを特徴・用途で括ると、左の「図解化パターン」として4パターンに集約できます。

1つ目が「Fact、事象をあらわすパターン」で、チャートとしては、①一覧、②マトリックス、③ポンチ絵・イラスト、④写真・画像が使われます。2つめが「関係者の役割、位置づけをあらわすパターン」で、組織や役割、事業構造やプレーヤー間の関わりを表す場合で、⑤組織図、⑥事業構造マップが使われます。3つめが「変化をあらわすパターン」で、変わっていく様子や流れ、順番をあらわす場合で、⑦ロードマップ、⑧業務フローが使われます。4つめが「構造・因果関係をあらわすパターン」で、論点を構造化したり、変数間の因果関係をあらわす場合に、⑨ツリー、⑩因果関係が使われます。ここは「Logical Thinking」とも関係します。構造がどうなっているのか、ツリー・因果関係は常に意識してください。

いかがでしょうか。 これらを意識して資料を作成することは、個人のばらつきを無くし、一定レベルの品質を担保するコンサルにとっては必須ですが、いわゆる事業会社においてはここまで求められることは少ないはずです。 逆に言うと、一定レベルで「よいプレゼンとは何か」を目指す方にとっては、非常に参考となる内容のはずです。

ぜひご参考になさってみてください。