ちょっと驚いたことがあった。
さいきんのぼくには珍しく電車で移動し、鎌倉駅から自宅に向かって由比ヶ浜大通りを歩いていた週末のこと。その姿はTシャツ短パンで歩くただの地元のおっさんなのだが、ある店を通り過ぎたところで突然「あきらーーん」と店の奥から呼び止められた。
ん?知り合いの声のようなそうでないような・・と思い振り返るとそこには、どこかで見たことのある長身のおっさんが。
で、よく見るとだんだん思い出してくるのだけど、ぼくの記憶が蘇るまえに、「おれだよ、大学の同期のAだよ!」と向こうから名乗り出てくれた。その言葉で一気に感覚は大学時代にフラッシュバック。
ぼくの学部はそんなに人数が多い訳ではないので、同期はほぼ覚えているのだが、目の前にいる、ちょっと太ったおっさんがその当時の姿にオーバーラップ。
「おお、Aか!あれ、新潟にいるんじゃなかったっけ?」と見つけてくれたことに感謝しつつも話し始めてさらにびっくり。
Aは、鎌倉につい最近移住したんだそうだ。
で、さらに聞くと、同じ同期が数名、鎌倉にAよりも前に移り住んでいるんだとか。
都内なら、こういう遭遇はかなりの頻度で起こっていたような記憶があるんだけど、まさか鎌倉で!?それも複数の同期が住んでる?
まあ、もともと田舎の大学だったので、どこかに「田舎な生活」への欲求があるのだろうけれど、この確率はすごいなあと思う。
子供のことを考えたり、両親のことを考えたりすると、住む場所に対する選択肢はかなりたくさんあるだろうけど、この場所には、そういったものをひっくるめて移住を決めさせる大きな要素があるんだろうと思わずにはいられない。
もともとの人口構成が高齢者寄りの鎌倉だけど、こうやってある種の新陳代謝が進む場所っていうのは、新しい何かがそこから生まれるようにも感じられる。
ご縁って、本当に自分がどうするかではないんだなあと思いつつ、今度みんな一緒に飲む約束をしてA氏と別れたのであった。