レビュープラスさんより献本頂き、読了。
コカ・コーラの米国本社、ローソン、NTT、UBER(タクシー配車のネット企業)、任天堂、東京ガス、沖縄県、イオンをケースとして、「過去の成功事例」ではなく、「いま進行中の」経営課題を抽出して、(解答例として)大前氏が提言を行ってゆく内容。
もしも、あなたが「最高責任者」ならばどうするか?Vol.1(大前研一監修/シリーズ総集編) (ビジネス・ブレークスルー大学出版(NextPublishing))
- 作者: ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所,大前研一
- 出版社/メーカー: good.book
- 発売日: 2015/10/23
- メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
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使える!
各ケーススタディには該当する企業のサービス分析や経営数値に加え、市場や環境変化予測などをまとめたパワポ資料がふんだんに使われているのだが、この分析と整理の方法だけでも十分に参考になる。とくに、販売戦略や経営企画を仕事にしているひとにはうってつけの内容ではないだろうか。
(BBTの学生のみなさまが苦労されて資料化したり、ファクトを積み上げている様子が目に浮かびます。)
未来予測が秀逸
また、大前氏による各ケースに対する提案も興味深い。本書の骨格をなしている思想が「Real Time Online Case Study(リアルタイム・オンライン・ケーススタディ=RTOCS)」なので、「未来を見据えて、現在に提言する」内容となっていないといけないのだけれど、その「未来設定(将来予測)」が、どのケースでもうなづくことの多いシナリオになっていて、そこから時には非常に大胆な施策提案を行う内容になっている。なので、業界は違っていても、読者の所属する企業でも応用が十分できる「思考方法」のトレーニングができるのではないだろうか。あまり書くとネタバレになってしまうけど。大企業からベンチャーまで、幅広く企業体を取り扱っているのもありがたいところ。
組織につてももっと言及がほしいところ(わがまま言ってすみません)
さいごに、本書が経営課題としての「次の打ち手は何か」を議論するために構成された内容なのでしょうがないと言えばそうなのだが、組織変革も含めてほしいと言うのはわがまますぎるだろうなあ。これらの打ち手を実行してゆこうとすると、当然のことながら組織体に手を加えて、実現可能性を議論してゆく必要が出てくるはずなので、そのあたりは別の書籍とかでも、オンライン上でもいいのでぜひ拝読してみたいとおもうところである。