「これからは『コトを興す』時代です。」
著者の小寺 圭さんはソニーの海外営業を30年以上なさってこられた、日本の家電業界におけるグローバルビジネスの尖兵&生き字引みたいな方。 複数の会社をご経験なさっていたり、海外販社経験など共通する所が多く(恐れ多いですが)、店頭で迷わず即買い。
風雲舎
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目からうろm
10年・・・だけでない!これから先の道しるべ。
日本の企業の進むべき姿、行政の企業支援の方向性を示唆しています
元気が出てくる!
「環境」をコアキーワードに多少の復活の感がある日本経済ですが、そもそも「製造業」そのものプラットフォーム、あり方はどうなってゆくか?を俯瞰的にまとめ直すには最近読んだ本の中で一番の良書でした。 豊富な海外販社でのご経験を踏まえたグローバルな視座から、日本の製造業は従来のの水平分業スタイルから更に一歩先んじてODMを中心とした「モノづくり」体制をどう構築してゆくかにかかっている、という指摘は実に共感するところ多し、です。
読んでいて説得力があるのは、小寺さんが単に海外販社のご経験があるだけでなく、複数の会社をマネジメントなさってこられた中での複眼的な経営センスというかビジネス嗅覚がおありだからだろうな、と思います。 逆に言うと、普通に生活している分には気づき得ないだろう、全ての製品にとってコモディティ化とその外部委託化は、グローバルビジネスセンスによって克服できる部分はかなり大きいのではとも再認識。
それにしても、なんで日本ではこんなにEMSやOEM/ODMメーカーの事が取り上げられないんでしょうかね。どのインダストリーでも、既に公然の周知だから?なのか、触れてはいけない暗黙のルールでもあるのか。。
本書の中は、環境ビジネス、観光ビジネス、移民政策、といった日本にとって喫緊の課題が日本の企業ならどういう領域でどう立ちまわれるか、の具体的な提言があったするのも興味深い箇所です。 下手なMOT本や、解説本よりもよっぽど含蓄が深く、示唆に富んだ一冊。